スーパーマーケットで買い物をするとき、「このお店、本当に良い商品を扱っているのかな?」と気になったことはありませんか?
私、平山友美は・・・ご当地スーパー好きです!尊敬するスーパーマーケット研究家の菅原佳己さんの前で言うのは恐れ多いのですが💦研究家ではないけれども、全国の地域密着型スーパーでお仕事をした経験があり、普通の人よりは、売場を見る目も肥えているつもりです!
そんな私がチェックポイントにしているのが、青果売場。ここの売場の作り方、品揃え、価格帯、POPをみれば、だいたいそのスーパーの全体評価が決まる、と言っても過言ではありません。
実は、業界関係者の間でも知ってる人は知ってる!というちょっとした秘密情報です(笑)。
なぜトマトを見れば一目瞭然なの?
なぜトマトなのでしょうか?それには、興味深い理由があるのです。
トマトが特別な理由:3つのポイント
1. 日本で最もお金をかけて買われている野菜
総務省の家計調査によると、トマトは野菜の中で年間消費支出額が1位です。2024年のデータでは、1世帯あたり年間約8,000円をトマトに使っており、2位のきゅうり(約3,200円)を大きく引き離しています。
つまり、トマトは日本の食卓に欠かせない「国民的野菜」なのです。
2. 品種の多様性が店のこだわりを映し出す
トマトの世界は実に多彩です。
- スーパーでよく見かける「桃太郎」
- 甘みの強い「フルーツトマト」
- 色とりどりの「ミニトマト」サイズもいろいろ。枝付きもありますね!
- 生産者の名前がついたブランドトマト
安いトマトだけを並べるか、様々な価格帯・品質のトマトを揃えるか——この違いが、そのスーパーの姿勢を表しているのです。
3. 購入頻度が高く、お客様を店に呼び込む力がある
トマトは、サラダにも料理にも使える万能選手。多くの人が週に何度も購入します。「あのスーパーのトマトは美味しい」と思ってもらえれば、お客様は繰り返し来店してくれます。だからこそ、本気で商売をしているスーパーほど、トマト売り場に力を入れるのです。
業界の専門家が語る「トマトはバロメーター」
流通研究所(食品スーパーの経営を研究する専門機関)の分析記事では、こんな指摘がされています。
「トマトコーナーをお客様からの支持のバロメーターと評価している。トマトの差別化はお店の競争力と直結している」(出典:株式会社流通研究所「品種力が野菜の売場と消費を変える!」2016年)
また、日本農業新聞の調査記事でも、こう報告されています。
「例えば、1箱1000円以上する高級トマトの箱売りを複数揃えているところは、客単価の高い飲食店が付近にあるか、富裕層が目的買いに訪れる店舗が多い」(出典:JA全農「[トマト]目的買いと集客力備えた商品に成長」2016年)
つまり、トマト売り場を見れば、「このスーパーがどんなお客様を大切にしているか」まで分かってしまうのです。

実践!良いスーパーを見抜く「トマトチェック」3ステップ
それでは、実際にスーパーでできる簡単なチェック方法をご紹介します。
ステップ1:トマト売場の「品揃え」を見る
チェックポイント
- □ 価格帯が幅広い(98円から500円以上まで)
- □ 品種が複数ある(大玉、ミニ、フルーツトマトなど)
- □ 生産者の名前やブランド名が書かれたトマトがある
- □ 高級トマトが箱売りされている
◎ 良いサイン 品揃えが豊富なスーパーは、「様々なお客様のニーズに応えよう」という姿勢を持っています。安いものだけでなく、品質重視のお客様も大切にしているのです。
× 残念なサイン トマトがほぼ同じ価格帯・同じ種類しかない場合は、「とりあえず置いている」だけの可能性があります。
ステップ2:実際に買って「味」を確かめる
せっかくなので、気になるトマトを買ってみましょう。
試してほしいこと
- まずは手頃な価格のトマトを購入
- 冷蔵庫で冷やしてそのまま食べる
- 味の濃さ、甘み、酸味のバランスをチェック
◎ 良いサイン 「安いトマトなのに、ちゃんと美味しい!」と感じたら、そのスーパーは仕入れにこだわっている証拠です。
次回は少し高めのトマトも試してみてください。価格差に見合った味の違いがあれば、確実に良いスーパーです。
ステップ3:他の野菜や商品も観察してみる
トマト売り場が充実しているスーパーは、実は他の商品も質が良いことが多いのです。
確認してみましょう
- きゅうり、なす、ピーマンなど他の野菜の品揃えは?
- 精肉コーナーや鮮魚コーナーの品揃えは?
- お惣菜コーナーの種類は豊富か?
トマトで好印象だったなら、他のコーナーもきっと期待を裏切りません。・・・が、偶にハズレることがあります(笑)
「通信簿」の欄外情報
「野菜はいいのにねぇ」とか「お肉はいいのにねぇ」など、皆さんの近所にあるスーパーって、1店舗で満足できるお店になっていますか?
実はわりとしっかり料理をする派の方は、買い出しを1店舗で済ませることはありません。2~3軒のスーパーや専門店をハシゴします。なぜ、こんなことが起こってしまうのか・・・というと、スーパーマーケットの多くは、「縦割り社会」なんです。
野菜には青果担当、肉には精肉担当、魚には精肉担当、調味料にはグロサリー担当・・というように、アイテムごとに、担当バイヤーがいて、ほぼ横連携がないというのも珍しくありません。そこに店長とかバイヤー以外にもチーフとか、色んな役職があって、これは会社ごとに違うので、一概に言えませんが、会社によっては、それぞれが自分の担当のことしか考えない、というスタイルでやっているところもあります。
一方で、店長がバイヤーを兼任していることもあったり、みんな横同士で情報共有されていたりするスーパーもあります。店舗数が少ないスーパーに多い傾向です。
最近は、M&Aによって、もともとは中小規模のスーパーで、横つながりがあったのに、親会社の経営方針で、そうできなくなってしまうこともあります。
消費者側から見ても必須アイテム
トマトは、料理をする人にとっては、彩りとしてもうま味としても必須アイテムです。私がイベント出店で携わった「焼きカプレーゼ」も、「出汁を使ったんですよね?」と何度も聞かれたのですが、あれはトマトとモッツァレラチーズ、ネギの他は塩と胡椒、オイルしか使っていません。トマトとチーズの相乗効果なんです。
~の「トマト煮込み」という料理を作るとき、「トマト水煮」という缶詰めを使いますが、私は1回の料理で1缶使うのがもったいないし、あれは濃縮した味はあるけれど、フレッシュ感に欠けるので・・・だいたい、生のトマトとブレンドします。半分残したトマト缶は、袋に移して冷凍保存しておくと、別の料理に使えます。

味噌汁に具が少ないときにもトマトを入れます。いりこと昆布の出汁とも相性が良く、美味しくできます!考えてみると、うちの冷蔵庫に常に常備されている野菜と言えます。
このように、加熱するトマトも必須ですが、彩りとしては「そのまま食べて美味しい」トマトも欲しいです。
「冷やしトマト」とか「カプレーゼ」なんて、めちゃくちゃ、簡単な料理ですが、材料のトマト自体が美味しくないと、ただの手抜き料理になってしまいます。
素材そのもののクオリティが問われる食材なんです!!
こうなると、日ごろから「美味しいトマトがあるスーパー」は見つけておいて、必要なときに必ず買いに行くという行動パターンが生まれます。
これがスーパー側からしても、トマトのラインナップを充実させておくと、品質を重視するお客様が集まりやすい、という構図ができ、好循環が生まれます。
「一本釣り」vs「定置網」—スーパーの戦略が見える
スーパーにも戦略の違いがあります。
高級路線のスーパー:「一本釣り」戦略
- 高価格帯のトマトを充実させる
- 1箱1,000円以上の高級トマトも置く
- 品質重視のお客様を「一本釣り」する
- → 少し売れ残ってもOK。良いものを揃える
リーズナブル路線のスーパー:「定置網」戦略
- 手頃な価格と質のバランスを重視
- 商品の回転率を上げる
- 幅広いお客様を「定置網」で集める
- → たくさんのお客様に支持される品揃え
戦略は、その企業、担当責任者の考え方にもよるので、どちらが良い・悪いではありませんが、皆さんは自分のニーズに合ったスーパーを選ぶことが大切です。そのための「目」を養いましょう!
明日から使える!スーパー選びが楽しくなる新習慣
次回スーパーに行ったら、こんな楽しみ方をしてみてください
- まず野菜コーナーへ直行(だいたい、入口に1番近いところが青果売場)
- トマト売場をじっくり観察(トマトだけがまとまっていることが多い)
- 気になるトマトを1つ買ってみる(このときに「バイヤーおすすめ」などのPOPがあると分かりやすい)
- 家で味わいながら「このスーパー、合格か不合格か」を判定!
たったこれだけで、あなたも食品業界の人と同じ目線で、スーパーを評価できるようになります。
まとめ:トマトは「お店の通信簿」
トマトは、他の野菜とはちょっと違います。
- 日本で最もお金をかけて買われている野菜
- 品揃えの幅でお店のこだわりが分かる
- 味を確かめれば仕入れの質が分かる
- トマトに力を入れる店は、全体の品質も高い傾向がある
「トマトを見れば、良いスーパーが分かる」——この視点を持つだけで、日々の買い物がもっと楽しく、もっと賢くなります。
普段あまりスーパーに行かない方も、次回はぜひトマト売り場に注目してみてください。
他にも見どころはたくさん!知れば、スーパーという奥深い世界に、きっと驚かれるはずです。折々で紹介していきますね。
1月は、トマトも美味しくなるシーズンでもあります!
「ひろしま食の手帖2026」でもこだわりのトマトを紹介しているので、ぜひご覧ください。



