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淡路島の絶景スポットと楽しむ!おすすめレストラン~ラ・グラース

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ご当地食材、ご当地ごはんが大好きなフードプロデューサー、平山友美です。どこを旅しても、誰もが行く観光スポットよりも道の駅やご当地スーパーに足が向いてしまいます。 そして、レストランを選ぶなら、その土地の食材を知り尽くすシェフのお店!「知る喜び」がおいしさに変わる、その瞬間が好きです。

今日ご紹介するのもそんな淡路島のレストラン…店名には「ビストロ」とあります。日本ではあまり区別して使われることがありませんが、ビストロは、気軽に立ち寄れる家庭的な料理を提供するカジュアルなお店のことです。
淡路島にある「ビストロ La Grâce(ラ・グラース)」は、その点、ビストロのように温かい家庭的なお店でありながら、レストランのように特別な日に、誰かを誘って行きたくなる、そんな魅力的なお店でした。

近くには、秘境「ぜんざの滝」など、淡路島の観光ガイドにもまだ載っていないような絶景スポットがありました!淡路島がまた好きになるエッセンスが詰まった1日を紹介します。

目次

淡路島レストランでおすすめ「ラ・グラース」

La Grâceは、フランス語で「(神の)恵み」を意味します。その名の通り、淡路島の海、山、里の恵みである食材、人と人とのつながりに恵まれた「興隆寺ヴィレッジ」の中にあります。

興隆寺ヴィレッジ:淡路島市にある里山地域。澄んだ空気や水辺、豊かな木々に包まれた、みずみずしい潤いのあるこの地域を守っていきたいという想いを共有し、さまざまな活動を行っています。

ここに、2024年12月にオープンしたレストランが「ラ・グラース」です。里山の中にあるおしゃれな建物。

お店の入口にあるイラスト看板は、兵庫県出身のコミュニケーションデザイナーでイラストライターのこゆりさんの作。「ラ・グラース」で使われている淡路島の食材が、素敵に描かれています。

店内からは、どの席からも里山の風景が見渡せます。

腕をふるってくださるのは、松下平シェフ。

有名ホテルや日本国総領事館公邸の料理人として活躍され、神戸発のレストランやカフェを展開する『TOOTH TOOTH』では、レストランの総料理長を務められました。関西のローカルで21年続いた長寿番組「ちちんぷいぷい」にも出演されていたので、ご存知の方も多いでしょう。

松下平シェフプロフィール

・Work Experience
大阪あべの辻調理専門学校卒業。
神戸ポートピアホテル、カナダトロント日本国総領事館公邸料理人、ハウステンボスホテルズ迎賓館エリタージュ副料理長、夢舞台ウェスティンホテル淡路(現グランドニッコー淡路)宴会コール料理長、THOOTH THOOTH総料理長を経て、自店となる「忘日常」をテーマとしたbistro La Grâceをオープン。
・Others
MBS『ちちんぷいぷい』のキッチンコーナーに14年レギュラーとして出演。
一般社団法人 日本エスコフィエ協会会員。

淡路島の食材尽くしの「ラ・グラースランチ」

ランチは、肉か魚のどちらかを選べる「カジュアルランチ」、両方食べたい方には「ラ・グラースランチ」の2つのコースがあります。どちらを選んでも、この看板商品である「オードブルサラダ」が出てきます。

オードブルサラダは、淡路島がギュッと詰まった一皿

一見、何でもないサラダに見えますが、「オードブル」とは、食事の前に提供される軽食や料理の盛り合わせのことなのです。その名の通り、このサラダは、松下シェフの経験値あってこそのテクニックがギュッと詰まっていました。

オードブルとは:オードブルはフランス語で「作品の外」という意味です。オードブルには、コース料理の前に食欲を掻き立てるという目的があるので、味が強めな料理が選ばれるとのこと。フレンチのコースではオードブルのみならず全てのコースメニューに目的があります。
引用:https://www.rouge-rpg.com/post/entr%C3%A9e_hors-d-%C5%93uvre

詳しく言うと、仮屋漁港で水揚げされた4種の魚介料理の盛り合わせがサラダ仕立てになっています。この時は、紋甲イカ、サワラ、カワツエビ、ホウボウの4種でしたが、いずれも調理法、からめてあるソースが違います。シェフは、いつもその時に水揚げされた魚を聞いてから、どんな料理に仕立てるかを考えているのだそうです。

松下シェフ

紋甲イカは、刺身でもイケるって、(漁師さんに)聞いたんですけどね。ちょっと表面だけ炙りました。炙ることで、イカの香りがたつんです。

紋甲イカ:甲の幅が広く、特徴的な紋模様が見えることから、この名があります。和名の「カミナリイカ」は、雷の鳴る場所で多く獲れる、または、雷の鳴る季節に旬を迎えるイカというのが由来。
出典;https://www.maruichi.com/osakana/zukan/ika/post-21.php

味が良くやわらかいイカで、特に西日本で人気。身が厚く、甘みがある。刺身にして美味。煮物や焼き物、天ぷら、中華料理などにも向く。
参考;https://tsurihack.com/1345

そして、炙ったイカにはシンプルにオリーブオイルを和えて、バルサミコ酢をかけます。バルサミコ酢は、ブドウを原料にしたお酢です。酢だから、そのままだと酸が強いのですが、煮詰めていくとブドウの甘味が出てきて、甘くなるのです。それがただ甘いだけでなく、うま味のあるエキスになります。松下シェフは、これとりんごジュースを煮詰めたものと手早く合わせて、ソースにすることもあります。フォアグラに使うソースにも似た味わいになるそうです。

バルサミコ酢:果実を原料とした「果実酢」で、ブドウ果汁とワインビネガーを低温でじっくりと煮詰めてつくられた調味料です。バルサミコ(Balsamico)とはイタリア語で「芳醇な」「香り高い」「芳香な」といった意味があり、その名のとおり上品で果実のフルーティな味わいが特徴です。「酢」ですが、酸味だけでなく甘酸っぱさがあり、またとろりとした濃厚さがあります。ステーキやソテーのソースにしたり、サラダのドレッシングに使われたりするのが一般的で、肉・魚・野菜などどの食材とも相性の良い調味料です。フルーツを添えたバニラアイスにかけるなど、デザートに使われることもありますよ(*^-^*)
参考;https://delishkitchen.tv/articles/2341

松下シェフ

何か、刺身(生)で出せるものがあると良いな、とは思っています。でもいつも何が入ってくるかが分からない。ハマチが来るときもあるし、ヒラメやメバルのこともあります。

サワラのように魚体が比較的大きなものは、薄く粉を付けてさっと揚げて、大根やニンジンと一緒に酢漬けにすることが多いそうです。

友美

「オードブルサラダ」の意味はそういうことだったんですね。地元、淡路島で獲れた旬の魚介料理、4種の盛り合わせということですね?

松下シェフ

それだけじゃないです。北坂養鶏所の卵と、それからベビーリーフには、このリーフに合うドレッシングを作って和えています。

友美

え?4種の魚介料理ともまた別のドレッシングを作られているのですか?

フランス料理ひと筋の松下シェフ。フランス料理の基本は、ソースと言われます。私たちが「ドレッシング」と呼んでいるものも、実は「ソース ビネグレット」というフランス料理では基本のソースの1つです。
ソースは、個々の素材や料理に合わせて存在するものだから、4種の魚介料理、そしてベビーリーフにも、それぞれ、合わせたソースを用意されているのです。

ベリーリーフの下には、温度卵もありました!

ベビーリーフは、地元の「SOHMOKU 草木」ファームのもの。この農園のベビーリーフは、複数の野菜の幼葉やハーブがミックスされています。この時期は、ケールのように苦みがある葉も含まれています。それがドレッシングをからめることで、酸が加わり、苦みとのバランスが取れて、うま味に変わるのだそうです。

松下シェフ

ここのベビーリーフは、土耕栽培なんです。神戸にいたときは、ベビーリーフはほぼ水耕栽培のものでした。

友美

土耕栽培だと、葉っぱの味が濃くなりますね。

松下シェフ

そうなんです。日持ちも違います。一週間くらいは、ピンっとした元気な状態を保ってくれますよ。

野菜は、「SHOMOKU 草木」の他、サラダには、「花」を入れることにしていて、それはフレッシュグループ(若手生産者のグループ 代表 森農園)から入れています。実は、何かしら野菜のチップスを添えるのもシェフのコダワリです。レンコンや菊芋は、フローラルアイランド農産物直売所に探しに行くこともあります。

もう最初の一皿だけで、松下シェフの淡路島愛が伝わってきましたが、このあとに続く、季節のポタージュも、大人気の一品です。
この日は、人参とみかんのポタージュでした。牛乳で作ったフォームが渋みを和らげ、味わいを深めてくれています。

みかんは、淡路島のみかん、レモン農家として有名な平岡農園から。
松下シェフ

そろそろ、別のスープにしようかな、って考えているんですけどね。これが美味しかったと言って、食べに来られるお客様も多くて!
なかなかやめられません。

そう言いながら、次のスープの構想を楽しそうに話してくださいました。もう、素材を見たら、次から次へとアイデアが浮かんでくるご様子で(^-^)、こういうシェフのお料理だから、みんなが食べたくなるのだなぁ、と納得できました。

メインは、以下の4つから選ぶことができます。
・豚肩肉の黒ビール煮込み
・鶏もも肉のガランティーヌ クリーム煮
・興隆寺産 猪の赤ワイン煮込み(+1,100円)
・淡路牛のソースムータルド(+1,650円)

ちなみに、鶏もも肉の「ガランティーヌ」とは、フランス料理で、鶏肉を開いて、詰め物をして丸く形を整えたもので、手間がかかるので、古くは貴族が食する高級料理でした。

ガランティーヌ:フランス語の「galant(ガラン)」=「洗練された・上品な」に由来していると言われています。鶏やカモなどを皮つきのまま広げ、ひき肉と香辛料を合わせたものなどを巻き込んで、ブイヨンでゆでる、又は蒸し焼きする料理のこと。冷やし、輪切りにして食べる。手をかけて美しい断面に仕上げる料理で、古くは貴族のための高級料理でした。

ラ・グラースに来たら、ぜひ食べていただきたいのが「興隆寺産猪の赤ワイン煮込み」です!
これだけ、フレンチひと筋の松下シェフですから、ジビエ料理がスペシャリテですよね?

松下シェフ

それがね…僕は猪だけは使ったことがなかったんです。
フレンチでは、鴨やキジ、ハト、ウサギとかね、ジビエは色々あるのに、猪はここに来て初めてでしたよ。

興隆寺産猪の赤ワイン煮込み

ほろほろになるくらい、やわらかく煮込まれた猪肉は、「興隆寺産」とある通り、この辺りで捕獲された猪です。興隆寺ビレッジの中に、猪専用の加工施設があります。猪は、野生なので、個体差がありますが、なんとこの辺りの猪は、どんぐりを食べて育っているそうですよ!イベリコ豚みたいでしょう!?

イベリコ豚とは:イベリコ豚は、主にスペイン西部からポルトガル東部で飼育される高品質な豚です。黒い脚と爪が特徴で、スペイン語で「黒い脚」(pata negra)とも呼ばれることがあります​。イベリコ豚は、飼育方法や食生活に応じて以下の3つのランクに分けられます。この基準は2014年にスペイン政府勅令新規定で定められました。肉は、肉質が良く、さっぱりとした甘みのある脂身が特徴です。純血に近づくほど、脂が肉と混ざり合うため、肉質はまろやかで霜降りのサシが少ない状態になります。
https://delishkitchen.tv/articles/2648

松下シェフ

実際に、興隆寺産の猪を使い始めると、めっちゃ、ウマいんです!!

もちろん、処理の仕方が良いというのもありますが、猪って、捕獲から処理、精肉加工されてお店で提供できる材料になるまで、たくさんの人の協力が必要です。この興隆寺ヴィレッジのコンセプトに沿う食材と言えますね。

デザートももちろん、淡路島産の食材で!大きなメレンゲ菓子がアイスと一緒に食べると味も食感もぴったりでした。

はちみつのアイスと白ワインジュレに大きなメレンゲ菓子
いつも、次の料理を…おそらく、無意識に考えてしまう松下シェフ

これまでは、本場フランスで使う食材をわざわざ、取り寄せて使うこともありました。でも、淡路島では、「淡路島産」の食材の方が、圧倒的に喜ばれると言います。喜んでくれるお客様がいることが、料理人にとって、一番の幸せですね。

そういえば…今回は「スペシャリテ」が食べられませんでした!松下シェフのスペシャリテは、「パイ包み」です。これ、フレンチの中でも高度なテクニックが必要なのです。美味しく、且つ、芸術的に!?仕上げ、ナイフを入れたときの断面の美しさも問われます。

松下シェフ

僕の一番の得意料理は、実はパイ包みなんですよ!

この松下シェフのパイ包みを味わいたい方は、ディナーコースを予約するしかありません。私も、このパイ包みを含む、松下シェフにお任せコースで、リピしたいと思います!

淡路島秘密の絶景スポットへ

「ラ・グラース」のある興隆寺ビレッジには、他にも自然体験ができるキャンプフィールド、小住居付き市民農園である「クラインガルテン」、交流館やジビエ肉の加工施設などがあります。

クラインガルテンとは:日本語に訳すると「小さな庭」となり、「市民農園」もしくは「滞在型市民農園」とも言われています。クラインガルテンの敷地内には、「ラウベ」と呼ばれる家屋があり、農園では家庭菜園やガーデニングを行うことができます。別荘、セカンドハウス感覚で借りることができ、プチ田舎暮らし・スローライフをしてみたい人に最適です。
https://www.town.ibaraki-yachiyo.lg.jp/page/page000195.html

興隆寺ヴィレッジのクラインガルテンは、すでに全棟満室だそうですよ!

そして、秘境とも呼ばれる「ぜんざの滝」があります。
私も「淡路島を楽しもう!マイナスイオンに包まれる滝リトリート」に参加して、ネイチャーガイドを務めるムーサフルさんと竹谷富士子さんの2人に案内していただきました。
淡路島には、なんと、100以上の滝があるそうです。でもそのほとんどが島民にも知られていないのだとか。
ムーサフルさんがこの滝を発見したときのエピソードを聞きながら、「秘境」らしく、道なき道を歩いていくと…

ぜんざの滝に到着! 

私の写真では、あまり素敵に見えないかもしれませんが💦この滝まで往復するのに、30分もかかりません。
完璧インドア派のワタシが、気軽に秘境探検ができたことにも感激しました。

ここで、面白い動画の撮り方を教わりました!
確かに!癒されました~
この滝リトリートで、秘境散策を楽しんだあと、「ラ・グラース」というコースがおすすめです(*^^)v
ぜひ楽しんでみてください。

bistro La Grâce

兵庫県淡路市興隆寺720番地
ホームページはこちら 
Instagramはこちら

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