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【長慶寺健太郎さん】淡路島のSAKE~古くて新しい酒造り

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「スゴイ人がいるよ」って言われて来ました。

皆さん、こんにちは。ご当地食材、ご当地ごはんが大好きなフードプロデューサー、平山友美です。どこを旅しても、誰もが行く観光スポットよりも道の駅やご当地スーパーに足が向いてしまいます。

今回は淡路島で、冒頭の通り「スゴイ人」という前情報だけでここまで来ました!南あわじ市で、究極のハンドメイド酒「どぶろく」造りをする長慶寺健太郎さんです。

「長慶寺」という表札が掛かった門の前に着いたとき、「あぁ、長慶寺ってお寺だったの?」と思ってしまいました。家紋入りの暖簾をくぐると・・・

ここでお会いしたのが長慶寺健太郎さん。「Sake Underground(サケ アンダーグラウンド)」の杜氏であり、長慶寺農園の農園主でもあります。ちなみに、広島の竹鶴酒造が最後の修行先だったのだそう。石川達也杜氏のお弟子さんだったんです!!そして、名刺交換を終えたら、すぐさま、熱い語りが始まりました。

目次

長慶寺 健太郎杜氏のどぶろく造り

長慶寺さんが南あわじ市でどぶろく造りを始めたのは、2004年の冬。それまでは、酒蔵の準備をしていました。酒蔵の準備とは・・・ 

酒造りでは、まず米を蒸します。

長慶寺杜氏

動力に頼りたくないんですよ。だから、米を蒸すときの火は薪柴を使います。「薪」みたいにね、丸太を切ってやろうってわけじゃないんですよ。

これで1時間くらいかけてじっくりと酒米を蒸していきます。
長慶寺杜氏

昔話に出てくるおじいさんが山で「柴刈りに」の柴です。薪割をしなくてもいい、これがイイんですよ。

長慶寺杜氏

蒸しあがった米を麹室へ入れます。ここは、30℃くらいの室温を保ちたいんですよ。僕がこれまで見てきた酒蔵では、オイルヒーターとかパネルヒーターのような電熱線、動力を使うのが普通だったんですよ。

友美

動力を使わないために、こうして薪柴を?

長慶寺杜氏

そうなんです!こんな蔵、ないと思いますよ。そもそも、米を蒸すのに、薪柴を使ってる蔵なんて、聞いたことないですよ。

麹室もすべてDIY、長慶寺さんの手作り。何とも言えないイイ香り♡

長慶寺杜氏

酒もハンドメイド、蔵もすべてセルフビルドです。

ここでも麹の作り方について、熱く語ってくださいました。

原料米も自家製「亀の尾」
長慶寺杜氏

大量に作るつもりはないんです。こじんまりとね。ゆっくりと、時間をかけて作っていきたいんですよ。

数時間おきに麹蓋の位置を入れ替えながら、大切に育てていく

ここでは、酒造りに必要なものは、基本すべて手作り。金属製のタンクも使いません。海外のナチュール系のワイン造りにヒントを得て、地中に埋めた大谷焼(徳島県)の大きな素焼き甕の中で発酵させています。もちろん、地中に埋めるために穴を掘ったのも長慶寺さん!

セルフビルドの酒蔵で作るALLハンドメイドのどぶろく。興味湧きませんか!?

杜氏と農園主のハイブリッドな生き方

こうして完成したどぶろくです。もう味わいがどうのこうの・・・そんなレベルにない☆長慶寺さんが造ったどぶろく、家族や親戚は、普段はお酒を飲まないのに「これは美味しいね」と言って、たしなんでくれるそうです。

どぶろくなのに!? とっても爽やかな味わい 

長慶寺さんは、冬はこうして酒造りを、夏場は農園でパッションフルーツ、ハーブなどを栽培しています。このベビーリーフ、すごく味が濃くて、美味しかった!!聞けば、なんとこれも広島県の超有名農園「梶谷農園」さんのところで教わったのだそう。

長慶寺杜氏

広島では、冬は竹鶴酒造で酒造り、夏は梶谷農園でハーブを育てていました。

友美

なんだか、梶谷さんに似てるような気も・・・

長慶寺杜氏

弟です!

友美

ええええええええええええ!? 本当?

長慶寺杜氏

ウソです(笑)でも会う前から、きっと相性いいよ、って言われていたくらい。本当に仲良くさせてもらっています。

最後に

長慶寺さんから聞いた話はこれだけではありません。盛りだくさんの熱いお話がありました。これから奥さまが立ち上げられるというハーブの蒸留所のことも気になります💦 でも続きは、また次回の訪問時のお楽しみ。

長慶寺杜氏

これまでの20年間は、人様の蔵を守ることに時間を費やしてきました。だから、トライアンドエラーができなかった。ここは、自分だけの場所なんで、色んなことにチャレンジできるから、楽しみです。

ここは、単なる観光目的の方だけでなく、プロの料理人に来てもらいたい場所だと思いました。「今の日本酒は、工業製品になってしまっている」という長慶寺さんの言葉が思い出されます。すべての食材は、undergroundから!そして、人が手を加えたてもいずれまた自然に還元されるべきなのです。食に携わる人たちは、目の前にある食材を料理することだけでなく、自然という大きな環の中にいることを忘れてはならない、と教えられた気がしました。

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