みなさん、こんにちは。フードプロデューサーの平山友美です。
豊饒な大地や豊かな海に恵まれた兵庫県淡路島は、他に類をみない食材の宝庫。皇室や朝廷に海産物を中心とした食料を献上していた「御食国(みけつくに)」としても知られています。島を代表する食材は、玉ねぎ、レタス、鯛、3年トラフグ、淡路牛…、など挙げればキリがないほど!瀬戸内海の島の中で最大面積を誇る同島には、新鮮な魚介類から畜産物、野菜、果物に至るまで季節の度に訪れたい旬の「おいしい」が揃っています。
今回は「淡路島ヘルスツーリズム」に参加してきました。そして数ある淡路島食材の中から、フォーカスするのは「玉ねぎ」と「鯛」。玉ねぎの収穫、鯛の漁業体験を楽しんだ後、これらの食材をふんだんに生かした料理を提供する料亭旅館「うめ丸」で過ごした、美味養生な淡路島ヘルスツーリズムの様子をお届けします。
- 淡路島ヘルスツーリズムについて知りたい
- 淡路島の料亭旅館「うめ丸」で、玉ねぎフォンデュ鯛しゃぶしゃぶコースを楽しみたい
- 淡路島の鯛や玉ねぎに関する体験コースに興味がある
などなど!
日頃の「何となく不調」から解放されたい方、これから淡路島に行こうかな~と迷っている方にもピッタリな内容です。
ぜひご覧ください。
広島から2時間で行ける!海風に誘われて淡路ドライブ
広島から淡路島までの距離は約300キロ。車で向かうと片道4時間ほどかかります。今回の旅は、新幹線とレンタカーを使いました。新幹線はのぞみ号だと、広島駅から新神戸駅まで約1時間15分といううれしい短時間乗車。しかし、淡路島を自由に周るには車があればより便利。ということで、新神戸駅でレンタカーを借りました。
30分ほど車を走らせると見えてくるのが、世界最大級の吊り橋「明石海峡大橋」です。白い主塔と海景色が楽しい1日を予感させてくれます。この橋を渡る瞬間、スーッと身体が軽くなっていくような・・・そんな気持ちになりました。
明石海峡大橋を渡り淡路島に入ると、本州側からの玄関口にあたる淡路サービスエリアで一休憩。大きな観覧車は、まるでテーマパークのよう。展望テラスや撮影スポットも充実しています。
「橋の見える丘」と名付けられた展望エリアからは、明石海峡大橋とその周辺の景色を楽しむことができます。もちろん、レストランやカフェ、売店も揃っています。淡路島は車で1周すると約3時間を要する大きな島。淡路旅をスタートする活力をしっかりと充電するスポットとしてもおすすめです。
とっておきの玉ねぎを求め収穫体験へ
淡路サービスエリアを離れ向かったのは、淡路島の南に位置する南あわじ市です。同市では、温暖な気候と恵まれた地理的条件を活かした農業や酪農、漁業が盛んなエリア。中でも、淡路島を代表する特産品「玉ねぎ」は、南あわじ市を中心に栽培されています。この地で玉ねぎ農家を営む「淡路島濱田ファーム」を訪れました。
笑顔で迎えてくれたのは「淡路島濱田ファーム」代表の濱田哲司さん。「てっちゃん」の愛称で親しまれている、玉ねぎ農家さんです。農園では、淡路島玉ねぎの魅力を知ってもらおうと、収穫や植え付けの体験を開催しています。
てっちゃんから、淡路島玉ねぎの歴史や栽培方法、おいしい食べ方など、玉ねぎの極意について学んだ後は、実際に収穫を体験。そして、自ら採取した1袋分を持ち帰ることができました。やはり、玉ねぎ栽培の本場である淡路島玉ねぎの味や香りは格別!
詳細記事は下記リンクからどうぞ。
迫力満点!漁師さんといく鯛の五智網漁体験
次に訪ねたのは、同じく南あわじ市の「丸山漁港」。鳴門海峡に面した海原は、鯛やヒラメなどの高級魚が水揚げされる漁場として有名です。
特に、同漁港で水揚げされる鯛は、淡路島を代表する鯛と称され、大正から令和にかけ、天皇陛下に献上されてきた輝かしい歴史を持ちます。
こちらで体験したのが、実際に漁場へ赴いておこなう、天然鯛の五智網漁(ごちあみりょう)です。五智網漁とは、魚の群れを網で囲い込んですくい揚げる伝統漁法。長年、鯛漁を手がけるベテラン漁師・橋野さん親子のもと、リアルな漁師の現場を体感することができました。
詳細記事は下記リンクからどうぞ。
鯛料理と絶景と温泉を一同に楽しめる料亭旅館「うめ丸」
淡路島の生産者さんを訪ね、実際に食の現場を訪問し知識を深めた後に向かったのは、今回の淡路旅のお宿である料亭旅館「うめ丸」です。
重厚な造りの建屋内では、鯛をはじめとする淡路グルメや海を望む絶景、そして良質な泉質を持つ「うずしお温泉」も楽しめ、お部屋では日常を忘れて淡路島の壮大な雰囲気に溶け込むことができます。
館内に入ってすぐのラウンジからみえる景色は、まるで一枚の絵画のようです。鳴門海峡と大鳴門橋が織りなす、刻々と変わりゆく海の表情を堪能できます。もちろん、お部屋やお風呂などからもオーシャンビューを堪能。時間が経つのを忘れてしまいそうになる空間です。
旅館としては少し珍しい名前の「うめ丸」。その名の由来は、約60年前の創業時にありました。旅館業を営む以前、先代の創業者は、淡路島から京阪神へと魚を運ぶ、仲買業を営んでいたそうです。その運搬船の名が「うめ丸」だったとか。
その名前と淡路島の鯛の魅力を現代に受け継ぎ、鯛一筋の「うめ丸」として、全国から訪れる人々に郷土愛溢れる鯛料理を提供しています。
淡路の食材をヘルシーにいただく玉ねぎフォンデュ鯛しゃぶしゃぶ
お待ちかねの夕食は、「うめ丸」自慢の「玉ねぎフォンデュ鯛しゃぶしゃぶコース」をセレクト。玉ねぎやレタスなどの野菜とともに鯛をいただける、特に健康に気を遣う女性に話題のコースです。
そのコース名だけで心が躍ります。鯛をしゃぶしゃぶ?「フォンデュ」というとチーズを思い浮かべますが、玉ねぎのフォンデュとは?
テーブルの上に並べられたのは、鯛の薄造りとたっぷりの野菜、そして玉ねぎがピュレ状になった「フォンデュソース」がたっぷりと注がれた鍋です。野菜はもちろん、淡路島玉ねぎ、そしてレタスなど他の野菜も地元産。実は、レタスも淡路島の特産品です。全国4位の生産量を誇っています。淡路島は、玉ねぎだけじゃないんですよ!
地元の鮮度の良い玉ねぎを一番だしで、くたくたになるまで煮込み、ピュレにした「玉ねぎフォンデュソース」の中で、新鮮な鯛をレタスでくるりと包み、しゃぶしゃぶすること数秒。口に入れると、鯛と野菜、玉ねぎの甘みが一体となり、これぞまさに極上の口福。玉ねぎとレタスのシャキシャキ感、程よく火が通った鯛……口に入れると、これらを噛むことで生まれる味の変化も楽しめるのです。そうそう、柚子胡椒・淡路島の藻塩・唐辛子粉の3種の薬味を付けることで、さらに味の変化が楽しめるんですよ。
最初はお皿に盛られた野菜の量に驚きましたが、これならいくらでも野菜を食べられます。お風呂上りにピッタリなヘルシーなしゃぶしゃぶ料理!女性人気が高いと聞いて納得の一言です。
メインとなるのは玉ねぎフォンデュ鯛しゃぶしゃぶですが、「うめ丸」の真骨頂である「鯛」がコース内のほぼ全料理に使われていました。
中でも注目したいのが、淡路島の郷土料理である鯛宝楽焼です。皿に漆黒で深みのある那智黒石を敷き詰め、鯛、サザエなどを入れ蒸焼きにした料理は、魚本来の旨みを引き立て、その見た目も豪快そのもの!口の中でほろりと身がほぐれる口当たりの良さがたまらない一品でした。
鯛尽くしは続きます。写真は、コースの終盤で登場した鯛あら煮。甘辛く煮付けた鯛とごぼう、そして食感抜群の鳴門わかめとの饗宴!鳴門わかめのシャキシャキとした歯ごたえにビックリしました。こんな家庭的な料理を旅館でいただくのも良いですね~。心身に染みる奥深い味わいでした。
その他、海鮮カルパッチョや天ぷら、鯛釜飯にお吸い物、最後のデザートまで、たっぷりと堪能。日本でも有数の食材王国・淡路島で、食材を最上の状態で提供する、この環境でしかつくることができない鯛を余すことなく使ったコースに大満足な夕食となりました。
料理長が語る玉ねぎフォンデュ鯛しゃぶしゃぶ詳細記事は、下記リンクからどうぞ。
豊かな淡路を映すボリューム満点の朝ごはん
山海の恵みに満たされ、昨日の余韻を感じながら眠りについた翌朝は、お部屋の窓から望む海景色が心に静けさをもたらします。
昨夜たくさん食べたというのに、淡路島の食材に惚れ込んだ後は、「また食べたい」という欲が湧いてきます。朝食会場に着くと、そんな食欲を満たしてくれる光景が目に飛び込んできました。
ビュッフェカウンターに並ぶのは、鯛、淡路島コシヒカリ、「ヤマイチ」の淡路放し飼い卵、そしてお出汁や薬味類。これらを、鯛漬け丼、または鯛茶漬けにして、好きなだけ器に盛り食べることができます。
丼のほか、淡路島たまねぎや淡路島レタスが盛られたサラダコーナーもスタンバイ。自由に盛り付けて、朝からモリモリと新鮮野菜をいただけます。
驚いたことに、テーブルの上にはすでに、いくつも小鉢類が並んでいました。加えて、地魚と淡路玉ねぎの陶板蒸し、芽かぶとわかめのトロトロ味噌汁など、さすが人気旅館です。「旅館の朝ごはんは美味しい!」のイメージを裏切らない大満足の朝ごはんでした。
それにしても、こんなに新鮮な鯛をお腹いっぱいに食べられる機会はなかなかありませんね。卵黄を混ぜた鯛漬け丼を楽しんだ後は、熱々のお茶をかけて鯛茶漬けも!どちらも、しっかりいただきました。
最後に
数年分の鯛を食べたと思うほど、贅を尽くした「うめ丸」が放つ料理の数々。さらに、地元生産者を訪ね、絆と素材への理解を深めながら、その行程そのものを「旅」として、楽しんだ淡路島ステイ。この島には、存在するもの全てに愛情とストーリーがありました。
何より、明石海峡大橋を渡る瞬間、身体が軽くなるような感覚があったのは不思議です。日頃、室内でのパソコン仕事で知らないうちに身体がストレスを抱えていたのでしょうか。淡路島で畑と海の両方に触れ、人にも触れ、プラスアルファの豊かさを享受した経験は、まさにストレスフリーを叶えてくれた贅沢でヘルシーな旅でした。
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