広島市内から車で約90分。瀬戸内海に浮かぶ江田島市・沖美町の静かな港沿いに、明治末期の歴史を受け継ぐ料理旅館「坪希旅館」があります。2024年には、後ほどご紹介する「鯛めし」などを製造する「鯛雅(たいが)」もオープンし、老舗の味がより身近になりました。「老舗旅館」というと、ちょっと敷居が高そうなイメージを持たれるかもしれません。でも坪希旅館は、いつも温かく迎えてくださるステキな旅館です。一度行ったら、何度でも行きたくなる、その秘密を探ってみましょう。
明治から続く、瀬戸内の料理旅館
坪希旅館は、創業120年を超える江田島の老舗です。旅館業の免許取得は昭和25年ですが、営業の歴史は明治時代の終わりごろにまでさかのぼります。もともとは海沿いの屋敷を活かした船人の宿として始まり、やがて瀬戸内の魚介に力を注ぐ料理旅館へと発展しました。
建物の本体は明治後期に建てられ、2階部分は大正初めに増築されたもの。1945年の枕崎台風では二度の土石流被害を受けながらも守り抜かれたという逸話が残っています。災害をくぐり抜けてきた建物には、年月だけでは語れない重みと説得力があります。

1日4組限定。「おかえりなさい」の宿
坪希旅館の宿泊は1日4組限定。食事も宿泊も個室を中心に整えられ、にぎやかな観光ホテルとは異なる静かな滞在が楽しめます。
宿のもてなしの根底にあるのは「おかえりなさいという気持ちでお迎えする」という姿勢です。お客様に合わせて“黒子”のように控えたり、親戚のように親しく接したりと、距離感の取り方も柔軟。格式ある老舗でありながら、肩肘張らずにくつろげる空気が宿全体に行き渡っています。
現在、宿を支えるのは四代目女将・坪木一恵さん。コロナ禍にも新たな客室整備や商品開発に踏み出すなど、老舗の看板を守りながら宿の未来を切り開いてきました。そして料理長の坪希優幸(まさゆき)さんとその姪に当たる三奈戸侑子(みなと ゆうこ)さん。この3人の心遣いには、いつも感動してしまいます。

瀬戸内の旬を味わうコース料理
坪希は、宿泊しなくても食事だけを楽しむこともできます。食事は、すべてコース仕立て。その日に獲れた魚や入荷した食材によって内容が変わるため、同じ季節でもまったく同じ一席にはならないそうです。瀬戸内海で育った真鯛、海老、アコウやアワビ、サザエが出ることも。もちろん、冬は広島名物の牡蠣料理が食卓を彩ります。
料理を手がけるのは、料理長・坪木優幸さん。その日の素材の状態に合わせて味付けや調理法を繊細に調整する、まさに“一期一会”の仕事が光ります。口コミでも「夕食は次から次へと美味しいものが出てきた」「新鮮なお魚がとても美味しかった」と、料理への満足度の高さがうかがえます。とても気さくな料理長さんなので、食材のこと、料理のことなど何でも聞いてみてください。
写真はRCCテレビ「イマナマ!」に出演されたときの収録風景です。

看板メニュー「ふくふく鯛めし」
坪希を訪れたらぜひ味わいたいのが、「鯛めし」です。瀬戸内海の新鮮な真鯛から丁寧にとった出汁で、ひと釜ずつ炊き上げる一品。派手な驚きというより、食べ進めるほどに旨みが沁みてくるやさしい味わいが特徴です。とにかく、ごはんが含んだ出汁が、とても品のある・・・美味しい炊き込み飯なのです。

旅館で食べたお客様からは「ほっとする味」と評されることが多く、その言葉がこの鯛めしの魅力をよく表しています。上質でありながらどこかやさしく、食べた人の一日をそっと満たしてくれる。旅の締めくくりにふさわしい一膳です。
とても評判が良いことから、遂に江田島市内に坪希特製の冷凍ふくふく鯛めしが開発されました。

老舗の味を気軽に。直売所「鯛雅」
2024年6月、コロナ禍に1年をかけて開発された冷凍鯛めしが好評を博し、遂に専用の製造拠点として「鯛雅」をオープンしました。

鯛雅では冷凍鯛めしのほか、鯛の潮そばや鯛めしをイートインで楽しむこともできます。上品な鯛の出汁が香るラーメンと鯛めしのセットは、ランチにもぴったり。旅館まで足を運べない日でも、坪希の味に出会える場所です。
人気の「鯛めし」に、「牡蠣めし」が仲間入り!
「冷凍」には、未だに抵抗がある人も多いと思います・・・抵抗があるというのは、過去にあまり美味しくない冷凍ごはんを食べてしまった経験があるんじゃないでしょうか⁉ でもここの鯛めしを食べてみたら・・・!!もう炊きたての鯛めしと寸分違わないくらい、ふっくらとしたごはんと底味のあるうま味に感動します。

鯛の切り身も大きくて!食べ応えがあります。
そんな鯛めしに、今回「牡蠣めし」が仲間入りしました。安心安全をモットーとする高質スーパー「アバンセ」と江田島市商工会の新商品開発事業に参画して、チャレンジされたのです。
牡蠣めしは、鯛めしとは明らかに違った味わい。牡蠣も大粒の広島県産牡蠣が3粒ものっています。

これまでの「ふくふく鯛めし」は、1食もやや多めでボリュームがあるということもあってか、贈答用としても選ばれてきました。
アバンセと開発した牡蠣めし&鯛めしセットは、1食分を軽い1膳分にして、2つの味をセットにしました。包装もなるべく、簡素化することで、 普段のご家庭での食卓で、存分に楽しんでもらえるようになりました。

アクセス&プラス情報
坪希旅館へは、広島市内から車で約90分。港からの送迎にも対応しており、中町港からは2名から送迎が可能です。島旅にハードルを感じている方でも、想像よりぐっと近く感じられるはずです。
私が「牡蠣食う賢者」として推したときの記事もぜひお読みください。

この時に私が書いた色紙も飾っていただいています(笑) サインの練習をしなくては💦と思いました。

観光地を次々に巡るのではなく、ひとつの宿にじっくり滞在する旅。瀬戸内の海と旬に包まれる時間を求めて、ぜひ坪希旅館と鯛雅を訪ねてみてください。

