10年先もずっと食の仕事に携わっていきたい料理家さんやフードコーディネーターのための「フードビジネス実践講座」、第一回目が終了しました。農家さんや食スポットに赴いて、実際に受講生が書いたレポート記事をお届けします。今回は山口県から参加してくれた、管理栄養士の資格を持つ藤田さんの記事です。
こんにちは。管理栄養士の藤田恵美子です。
今回、庄原市高野町にある道の駅たかのをご紹介します。
庄原市の特産品が豊富に揃うこの場所は、地元の人々だけでなく観光客にも大人気のスポットです。
- 道の駅たかのについて知りたい
- 庄原市の特産品を知りたい
- 広島県の観光スポットを知りたい
という方にピッタリな内容です。ぜひご覧ください。
じわじわと愛され続けて25年のフードプロデューサー。10年先もずっと、食の仕事に携わっていきたい料理家さん、フードコーディネーターのための「フードビジネス実践講座」を開講中です。第1期生の概要、カリキュラム
「道の駅たかの」の場所とアクセス
道の駅たかのは、中国やまなみ街道の高野インターチェンジを降りてすぐ、島根県との県境に立地しています。
庄原中の特産品が集まり、ここでしか手に入らないものがたくさん揃っています。
赤いりんご色の屋根が目印の「道の駅たかの」。
昨年、来場者数400万人を達成したそうです。当日も観光客、そして地元の人で店内は大賑わいでした。
庄原市は広島県の面積の約14%を占めています。人口は32000人。この道の駅たかのがある高野町には1400人が暮らしています。つまり人口を大きく超える訪問がある、今大注目の道の駅なのです。
豊富な品揃えの庄原特産品
今回店内を案内してくれたのは、道の駅の職員の志和垣(しわがき)さん。
志和垣さんによると、現在、道の駅たかのの出荷者人数は453名ほど。
毎週月曜日と木曜日に2トントラックで近隣農家さんから農作物を回収にいくそうです。取材当日は出荷日でした。
写真は荷下ろしした後の状態。トラックにはたくさんの農作物が積まれていました。
回収された農作物は、職員さんが値段をつけ、すぐに店頭に並びます。
「道の駅たかの」で販売される野菜がこれほどまで人気なのは、野菜そのものの美味しさはもちろん、職員さんの努力が大きく関係しています。例えば、レタスやほうれん草などの軟弱野菜の下には保冷剤が敷いてあります。道の駅たかのでは鮮度維持管理に力を入れているそうで、工夫を凝らした結果、現在は廃棄量も以前に比べて大幅に減ったそうです。
ほとんどの野菜はここで手に入るのでは?というくらい、豊富な品揃えです。中でも、名物の高野大根は大人気!庄原市の中でも、高野町で採れたものだけ、高野大根と名乗れるそうです。葉っぱまで新鮮。なんと、こちらの大根は1日300本売れるそうです。休日は、その3倍売れることもあるのだとか。
生鮮食品だけでなく、お弁当や加工品、お漬物、お米、お酒などもあります。写真は、ずらりと並ぶ庄原のお酒の棚。
魅力的なものが所狭しと並べて売られており、色んなものに目移りしてしまいます!
こちらは、色とりどりのお漬物。改定食品衛生法の完全実施で漬物の販売は半分に減ったとのこと。今後は、漬け方の継承などを目的としたワークショップも考えられているそうです。
雪を利用した自然の冷蔵庫「雪室」
「道の駅たかの」の野菜や加工品がおいしいのは、県内の道の駅でここしかない「雪室」の存在が関係しています。敷地内にある「雪室(ゆきむろ)」は、豪雪地帯・高野町ならではの施設。雪室とは、雪を利用した天然の冷蔵庫です。
今回は特別に、食品が貯蔵されている「雪室」内に入り見学させてもらいました。
雪室の特性と役割
雪室の中には2トントラック300台分の雪が搬入されているそうです。
この雪のおかげで、雪室の中は1年中「気温0度」「湿度100%」がほぼ一定に保たれています。
一般的な冷蔵庫と比べ、温度の変化が少なく年間を通じて低温での貯蔵ができます。また湿度が高く、乾燥しないのも嬉しいポイントです。
実際に雪室に入れる「体験室」もあります。入ってみると……、とても寒い!雪だけで、こんなにも冷たい温度、そして湿度が保たれているとは驚きでした。
雪冷熱を活用する雪室は電気を使用しないことから、CO2排出の削減にも繋がっているそうです。
雪室で熟成された特産品
雪室に食品を貯蔵することで以下のようなメリットがあります。
・米や野菜はでんぷん糖化で甘くなる
・熟成時に発生する不快臭が抑えられる
・食品の劣化・酸化を抑えられる
・圧倒的な鮮度保持能力で、新鮮な状態で保存ができる
この効果により、一定期間寝かせた野菜や加工品は、味がまろやかになったり甘みが増したりすることが分かってきています。
道の駅たかの雪室では、雪美人(日本酒)、りんごジュース、お米、そばなどが貯蔵、熟成されています。
りんごジュースは2〜3ヶ月熟成されるそう。8月から店頭販売されます。
高野大根は閉店後、雪室にて保管されます。そうすることで鮮度が保たれ、平均1〜2日は維持できるそうです。
こちらの雪室そば、実際に購入して味わってみました。そばの甘みを感じられてとても美味しかったです!
初めて見た「雪室」。先人たちの知恵と経験が育んだ、伝統的な自然エネルギーを用いた貯蔵技術。
鮮度の保持だけではなく、程よく熟成させることで旨みを増すという効果もあり、「こりゃすごい!!」と、驚きと発見の連続でした。
「道の駅たかの」のカフェレストラン「そらら」
昼食は、併設されているカフェレストラン「そらら」にていただくことに。
ブッフェ形式で、食べ放題できると人気のレストランです。
店内には、地産野菜を使ったお料理がたくさん!サラダからメイン、ピザ、パスタ、カレー、そしてデザートまで盛りだくさん。雪室熟成ケーキもありました。
素材の旨みをいかした料理は、庄原市でしか食べられない味。特に野菜天ぷらはオーダーすれば、すぐに揚げたてが出てきて、感動! 最高に美味しかったです。店員さんも大変親切で、楽しいランチタイムを過ごすことができました。
最後に
庄原市の美味しい魅力がたくさん詰まっている「道の駅たかの」。何時間居ても飽きないくらい、楽しい空間でした!
新鮮な農産物、そして特産品の数々。この道の駅が多くの人に愛されている理由がわかります。旬のお楽しみに、ぜひ訪れてはいかがでしょうか。
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