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そばカフェ生田村

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ご当地食材、ご当地ごはんが大好きなフードプロデューサー、平山友美です。
どこを旅しても、誰もが行く観光スポットよりも道の駅やご当地スーパーに足が向いてしまいます。そして、食材の産地を訪ね歩くこともライフワークです。

今回はそば。淡路島で「そば」というイメージはなかったのですが、奈良や京都、大阪から月に一度は訪れているお客様もいると聞いて、そんなそばを食べてみたくなりました。そば好きな方もそうでない方も、なんだか、行ってみたくなるお店です。ぜひ読んでみてください。

目次

そばカフェ 生田村メニュー紹介

「生田村(イクタムラ)の生、田村(ナマのタムラ)です」と紹介されると、もう忘れることはありません☆ 
そばカフェの店長、田村伊久男さんです。

メニューは二八そば、十割そばが中心ですが、古代米や卵かけごはんも気になります。

せっかくなので、やはり「生田村御膳」でしょうかね!この御膳、調味料以外はすべて淡路島産の食材です。

・十割そば
・そば粉の天ぷら
・鴨せいろ
・卵かけごはん

生田村御膳のそばは、十割そばです。
十割そばは、100%そば粉で作りますが、これがなかなか、つながらなくて難しいんですよ。

☆広島県庄原市にある「一寸そば」は、このつながらない・・・が店名になったというエピソードがクスっと笑える家庭的なそば屋さんです。こちらの記事もぜひ、ご覧ください。⇒ https://www.shobara-info.com/2609

鴨肉を入れた出汁につけて頂く、温かいそば、いわゆる、鴨南蛮です。
鴨肉は、合鴨農法をしている農家さんのところの合鴨、「あわじ田助鴨(でんすけがも)」のロースだそうです。 五色OFG(オーガニックファーマーグループ)の田んぼで育った合鴨で、品種は「チェリバレー」(北京種をもとにイギリスで改良された品種)です。

大きめ野菜がうれしい、そば粉の天ぷら

野菜もそれぞれが美味しい。聞かなかったけど、塩も・・・淡路島の塩かな?
そういえば、家に余ってるそば粉があるんだった・・・!そば粉って、天ぷら衣に使えるんですね。

お米も卵も地場産

お米は生田村産の棚田米、卵は配合飼料は与えないで平飼で育てた鶏の卵です。

最後にそば湯をいただいて、飲み干しました。ごちそうさま♡

淡路島でなぜ、そばなの?

実は淡路島でそばを栽培しているのは、この地域だけです。標高約200m、淡路島北部に位置する山間地域で、そば栽培に向いているわけではありません。淡路島自体、そばの文化はゼロなんです。

「もともと、そばを食べるために作り始めたんじゃないんですよ、花を見るため・・・景観形成が目的でね。」

そば栽培を始める前は、まとまりのない地域だったという田村さん。過疎化が進み、耕作放棄地も増えていくことに危機感をもち、地域の人たちと何とかしたいと、立ち上がりました。

「ひまわりやコスモスは、すでに他の地域でもやっていた、だからそばの花が良いんじゃないかと思ったんですよ。」

当初、そばの花はきれいだから、きっと香りも良いんだろうと思っていました。でもそばは「タデ科」の植物です。
「蓼喰う虫も好き好き」なんていうくらいだから、実は匂いは良くなかった・・・

そのうち、誰かが食べてみようっていうことになって、食べてみたら・・・関係者がみんな驚きました。
「淡路麺業」の前会長も「ここのそばは天下一品やぞ!」と言って、協力してくださいました。

初めのうちは、ちょっとしたイベントで出す程度だったのが、そのうち店を出そうということになりました。でもそば打ちは、簡単じゃなかったんです。

「最初は、うどんみたいな太いそばを出していましたね(笑)でも風味が良かったから、お客さんも許してくれていたんですよ」

とはいえ、いつまでも太いそばじゃ、いけない。
お客様に出しても恥ずかしくない程度のそばにしよう、と皆で頑張って、14年が経ちました。

生田という地域は、移住者も積極的に受け入れています。そばを植え始めたのが平成19(2007)年。それから約10年経って、町の人口を調べてみたら、500人弱はいたはずが370人になっていたのです。
この時も、この町を守るためには、どうしたら良いのかとみんなで考えました。

他地域から若い人が入ってきやすい環境を作っていき、今では、町の人口約370人のうち60人くらいが移住者だそう。
人口が増えたわけではないけれど、年寄りは亡くなっていく、若い人は外に出ていくという動きがあると同時に、新しい人がこの生田に移住してくるという良い循環が生まれているのです。

「地域づくりということにおいては、兵庫県下、ナンバー1です」

ここでは、地域の人たちがそばを植え、それをこの店が買い取り、この店で地域の人に働いてもらって、それをお金で還元しています。

今は見事な十割そば

「そばカフェ 生田村」の見えないこだわり

11時の開店時間に合わせて、10時にそばを打ち始めます。自分たちで育てたそば実を打つ前に粉にして、毎朝、お客様にお出しする直前に打つ、できるだけ新鮮なそばを出すよう、心がけています。

そば打ちのときの「打ち粉」にもこだわっています。そば粉は良くても、打ち粉が良くないと台無しになってしまうのです。

そばの実を粉にするとき、一回では粉になりません。そこで何度か機械を通すのですが、
その度に、潰れる部位が異なります。その時、最初に粉になるのは、そばの実の中心部。
ここは、真っ白で、水を加えて練っても、全くくっつかないのです。(=1番粉)

その後、2回目、3回目と挽いていくと、そばの実の周囲の甘皮(やや緑がかっている)が粉になっていきます。
ここが、くっつく部位です。つまり、2番粉、3番粉だけで練ると、つながって、麺になるわけです。

当店では、1番粉を打ち粉に使っています。そして、2番粉、3番粉だけでそばを打つのです。これも自家製粉をしているから、できることです。 打ち粉は、そば生地を伸ばすときもたくさん使いますし、打ったあとも、麺同士がくっつかないように、しっかり打ち粉をまぶしておきます。最終的に、湯がいた湯が「そば湯」になるわけですから、打ち粉が業者から仕入れた海外産だと、お客様にそば湯まで安心してお出しできないのです。

そば打ち体験もできる

ここでそば打ち体験をすると、その粉の良さがよく分かります。水を入れてこねるときに、ふわっとそばの良い香りが漂ってくるそうです。

気づき

淡路島って、島のサイズ感がちょうど良いんですよね。大きすぎず、小さすぎず・・・。神戸、大阪からだと、すぐ来れるし、四国とも近い。「島」というと、中には、都心からの往来が少なくて、閉鎖的なイメージのところもありますが、淡路島は、とても開放的です。どこを訪ねても、ウェルカムな雰囲気を感じます。

生田地域も移住者は適度に増えていますが、自然豊かな景観を守ることも忘れてはいません。でも、もともと、休耕田や耕作放棄地だったところに、そばを植えているので、実は花が咲くシーズンに行っても、一面がそば畑ということではないのです。

お店も通りがかりに見つけて入ってくるような場所ではありません。
それでも県外から月に1回は必ず来るというファンがいて、シーズンになると、行列ができる店です。普段、地元の人が食べに来る店でもあります。 「そばカフェ」と呼ぶのがぴったりな、ごく日常的な場所、この「究極の日常感」が魅力なのかもしれません。

詳しくはこちら

そばカフェ生田村:兵庫県淡路市生田畑152 

観光協会

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