フードプロデューサーの平山友美です。
今回は、広島の郷土料理の1つ、だんご汁を紹介します。
広島でだんご汁?って、意外に思われるかもしれませんが、安芸門徒の精進料理として伝わる料理です。広島の旧国名は「安芸の国」、安芸門徒とは、浄土真宗門徒のことです。 実は毛利元就が勢力をふるった背景には、安芸門徒の力があったとも言われています。
- 広島の郷土料理、だんご汁の特徴
- 広島のだんご汁の作り方
- だんご汁をより美味しく食べるポイント
広島の郷土料理と言えば、牡蠣の土手鍋くらいだ、と思っていた方には、ぜひとも、知ってもらいたい美味しい郷土料理です。
広島の郷土料理、だんご汁の特徴
広島では、お月見のお供えに、ススキに加えて郷土料理である白みそ仕立てのだんご汁を作って食べる風習があります。
また、だんご汁は、別名「月見汁」とも呼ばれています。
特徴は、「白みそ」を使うところでしょうか。
普段のみそ汁には、いりこの出汁に「合わせみそ」を使う家庭が多いのですが、なぜか、だんご汁には白みそを使います。
こちらは、我が家で定番の「新庄みそ」の白みそ。
実は、白みそと言えば、「府中味噌」が有名です。新庄みそは、会社名ですが、府中味噌は、府中町という町にある味噌蔵(三蔵:浅野味噌、金光味噌、本家中村屋)の総称です。
府中は、古くから醸造が盛んで、江戸時代中期には、府中の白みそは、全国にその名を知られていました。
ただ、府中と言っても備後の府中。広島市内では、売場の大きいところで浅野味噌を見かけることはありますが、あまり流通していないのが現状です。
広島のだんご汁の作り方
<材料>2人分
<お団子は10~15個分>
だんごの粉・・・90g
水 ・・・65ml
昆布だし ・・・2カップ強
白みそ ・・・40~50g(お好みで)
油揚げ ・・・大きいもの1/2枚分
しめじ、里芋、小松菜など・・・各適量
<作り方>
①だんごの粉をボウルに入れ、水を加えて最初は菜箸で混ぜ、ギリギリ、手でまとまるくらいの状態になったら、手で押しつぶすようにして、まとめていく。どうしても、くっつかなかったら、少し水を足す。(※入れすぎに注意!)
②鍋にだしを入れて火にかけ(出汁パックでもOK)、沸いてきたら①を食べやすい大きさに丸めて、入れていく。
③油揚げは、カットして加える。しめじは、根元を除いて、ほぐして加える。里芋は、皮を剥いて、食べやすい大きさにして加える。小松菜は、別鍋で茹でて、最後に添える。
④③で、だんごが浮き上がって、鍋に入れた具材が柔らかくなったら、白みそを溶き入れる。
だんご汁をより美味しく食べるポイント
ひと味違っただんご汁にしたいとき、美味しく食べるポイントは2つあります。
①白みそをすり鉢で摺ってから溶き入れる
②柚子こしょうを添える
実は、白みそに限らず、摺ってから溶き入れると、味がまろやかになって、美味しくなるんです!
そして!白みそ仕立てのだんご汁には、「柚子こしょう」が合いますよ。
精進料理に謂われがあるので、具材はお団子、油揚げ、キノコ類と野菜のみ。そんな植物性のお汁のアクセントになってくれます。青ネギは、ススキに見立てて、「クルクルねぎカッター」(←っていうのが正式名称かどうかは不明(笑))でクルクルにカットして添えました。
ちなみに、柚子こしょう、今回はこちらの東京都産の柚子こしょうを使ってみました。
東京都でできた柚子を原料にした、東京都産の柚子こしょう!
もちろん、材料そのものにこだわっていくと、こういうシンプルな1品な、どんどん美味しくなっていきます。
だんごが余ったら、茹でて冷凍保存もできますよ。白玉粉で作るレシピもありますが、白玉粉は時間が経つと、中心が硬くなってしまいます。だんごの粉、白玉粉の違いについては、また別の記事で紹介します。
広島の郷土料理、だんご汁、美味しいので、お月見のときに限らず!作ってみてくださいね。