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東京 朝ごはん~ 渋谷「かつお食堂」

かつお食堂
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郷土の味

2024年6月17日

こんにちは。フードプロデューサーの平山友美です。

実は弊社、本社は広島県広島市にありますが、東京にも小さな営業所があります。

東京は日本中、世界中の情報が集まるところ!食の情報の宝庫です。でも、「おら、東京さ、行くだー!」と、意気揚々、住んでしまうとその東京の面白さには気づかないものです。たくさんの人、様々な文化に出合える街。それが地方に住む者からすると、うらやましくもあり、憧れでもあり、そして自分の住む町の良さにも気づかされる貴重な機会にもなるのです。だから私は自分の住む、広島のことをもっと深く知るために東京に拠点を持つことにしました。ここでは、「これは地方では体験できないなぁ」、「東京ならではだなぁ」、「さすが東京だねぇ!」と思ったお店を時々、紹介していきたいと思います。

今回は、「朝ごはん」をテーマにご紹介します!

Check !! フードコーディネーター視点で探ってみよう

  • 渋谷「かつお食堂」が7年以上も愛され続けている理由

行列覚悟のお店です。地方在住の方! 東京に行く機会ができたときに、ぜひ行ってみてください。

じわじわと愛され続けて25年のフードプロデューサー。10年先もずっと、食の仕事に携わっていきたい料理家さん、フードコーディネーターのための「フードビジネス実践講座」を開講中です。第1期生の概要、カリキュラムはこちら

目次

お客様おひとりずつ、手削りの鰹節を! 渋谷「かつお食堂」

皆さんは鰹節を削ったこと、ありますか?
「削った鰹節なら使うよ!」と言ってもらえると、カツオも喜ぶと思いますが!「おかか」のようにすでに味付けがされた鰹節の加工品しか食べないという方も多いのではないでしょうか。

昭和世代の私は、子どもの頃、おばあちゃんが料理のたびに、鰹節を削っていた姿が記憶にあります。確かに、あの頃は家に「削り器」があるのが当たり前だったんですね・・・私の大好きだったおばあちゃんのことを懐かしく、思い出させてくれた人、それが「かつお食堂」店主の永松真依さんでした。

永松真依さんの著書「鰹節を手削りする美味しい暮らし」の中に、このお店をやっているその根元には「おばあちゃんが私のために鰹節を削ってくれた姿がある」と書かれています。私はこの言葉に共感して、ずっと行ってみたいと思っていました。

渋谷駅についてGoogleマップで探してみると、徒歩10分とか13分とか・・・地方在住者にとって、10分以上歩くなら車よねっと、言いたくなるところですが、頑張って歩きます。そもそも、駅がでかすぎるんですよっ 広島駅ですら、在来線口か新幹線口かの2つなのに、出口多すぎ💦 

なんて・・・ブツブツ言いながら、歩いていくと、突如として現れた行列!もしや、あれが「かつお食堂」⁉

開店20分前に到着したから、まだ最初の方かな~と思いきや、この最後尾に並んでから店内に入れたのは、約2時間後でした。ここに朝ごはんを食べに来る前に、朝ごはん食べといてっていうくらい。お腹空きます(笑)

鯉のぼりならぬ、「鰹のぼり」が目印。普通の住宅道に突如として行列が現れるので、すぐ分かると思いますよ。

お店の場所;東京都渋谷区鶯谷町7-12 GranDuo渋谷 B1F

待ってる間にメニューを決めましょう!

外国からの観光客もチラホラ。それでも日本人のお客様の方が多かったので、なんだか、ホッとしました。食の仕事に携わる者として、自国の食文化に関心を持たない人に会ってしまうことほど、悲しいことはありません★

そろそろ、2時間になるなぁ~という頃、ようやく、店内に入ることができました。

かつお食堂の「一汁一菜」定食

早速、基本のセット(手削りの鰹節ごはん、天然出汁のおみそ汁、出汁ガラのごはんおとも)に生卵(青森県トキワ養鶏さんの米卵→お米を食べて育つ鶏の卵は黄味が白っぽくなります)を追加、かつお おかな唐揚げをオーダーしました。

炊き立てのごはん(お米は長野県飯嶋農園の無農薬・無化学肥料栽培米)にオリジナルのふりかけをのせ、ここに店主の永松真依さんが目の前で手削りしてくれる鰹節がのっかります。

出汁で炊いたのかな?ちょっと色づいたごはんにふりかけ。目の前の羽釜で炊いたごはんです。
削り器は特注サイズだそうです!色んな節を交互に削っていきます。

鰹節には、加工の段階によってなまり節、荒節、枯節・本枯節と呼ばれ、その味わいは全く異なります。
私たちがタコ焼きやお好み焼きにのせるかつおぶしは、荒節を削ったものです。(詳しくはまた・・・)
この「かつお食堂」で使っているのは、全て本枯節。鰹節の中でも、一番手間がかかる、値段も高いもの。天日干しやカビ付けを数回、繰り返されてできています。

余談ですが、鰹節の製造は、分業制になっていることが一般的です。生のかつお(正確には船上凍結された状態)を仕入れて、荒節までは自社で製造し、そこから別の会社に委託してカビ付けをしてもらうという会社もありますし、完全に出来上がった節を仕入れて、削ったり、味付けをしたりの加工だけを行っている会社もあります。一貫生産をしているところ、日本に何社あるでしょうか⁉ 

皆さんが「かつおぶし屋さん」とか「かつおぶしメーカーさん」だと思っている会社も、実は節は作ってない会社かもしれませんよ(*^-^*) ただそれが悪いことではないので、誤解しないようにね。食の業界には、こんな風に消費者の目に見えているのとは違う姿があります。

さて、お話はかつお食堂に戻して・・・
溢れんばかりの削りたての鰹節。まずは、そのまま食べる、そして塩(淡路島の自疑雫塩(おのころしずくしお))をかけて食べる塩かつお節ごはん、その後は鰹節の粉もあるし、お醤油(愛媛県の梶田商店)をかけても美味。

基本セットに生卵を追加しました!この卵も美味しかったな~♡

かつおのおなかを唐揚げにしたもの

「かつお食堂」が愛される理由

一汁一菜の本当にシンプルな朝ごはん。シンプルゆえに、一つ一つの食材が厳選されていました。

忙しいのに、「本を買います!」って言ったら、「サインしますよ」ってカワイイかつおのイラストも描いてくれました。

提供される食材の全ての産地、生産者が明確である・・・そういうお店、皆さんの身近にどのくらいあると思いますか? もちろん、飲食店を経営する上で目をつぶらないといけないこともあります。自身のこだわりと健康経営のバランスをとるのが難しい飲食の世界なのですよね・・・

こういうお店って、たいてい、最初はめちゃくちゃ、メディアにも取り上げられて話題になるけど、3年後、5年後には消えてることが多いでしょう。それが7年(2024年現在)経っても、行列の絶えない店であって、創業者本人が毎日、店に立って、お客様一人、一人に手削りの鰹節を提供している・・・そういうぶれない芯のある人の店、私は大好きです!
ちなみに・・・トイレにもカツオが泳いでました!
これ、海外に行くとコンセプトがしっかりしたお店のトイレは必ず、トイレに行っても楽しい演出が施されていますよ。


お客様との対話も忘れず、その日の鰹節の説明をしたり、どんな食べ方が美味しいよ、って話をしてくれたり。これも大事なポイント。

長く愛される理由が分かりますよね。
立地も決して良いとは言えないし、並ばないと食べられないっていうのは、地方在住者にとってはハードルが高い店ですが💦せっかく東京に来たなら、並んで食べるという体験もしてみてください。飲食店が成功するためのコツは、地方でも都会でも変わらないんだな、と実感することができます。食の仕事をしている方にも、ぜひ自分の視点を持って、味わいに行ってもらいたいです。

「かつお食堂」店舗情報

かつお食堂は、現在、〒150-0032 東京都渋谷区鶯谷町7−12 GranDuo渋谷 B1 にあります。

休業日などの情報は、Instagramで発信されています。

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