この記事、今のところ、あんまり人に見られていないから書くんですけど(笑)、私は少し前から新しい目標をもつようになりました。その契機になったのが、「ビリギャルの先生」で知られる坪田先生のお話を聞いたことでした。もともと「ビリキャル」は、たしか・・・娘と一緒に映画を見に行ったことがありました。そのときは、原作本は読みませんでした。なぜなら・・・映画になった以上、何らかの演出は施されているだろうから、どこまでが本当の話かは分からない、と思ったからです。本当なのかどうか・・・というのは、偏差値が40上がったことや慶応に合格したことではなくて、坪田先生とさやかちゃん(←と、私はご本人は知らないけど💦こう呼ばせていただきます・・・)との関係がね、すごく良い関係のように見えたから、塾の先生と生徒でこういう関係になるっていうことがあり得るのかしら??という、本当なのかどうなのか。それが分からなかったから、原作を読むところまでは心が動かされなかったのです。
それから実際に坪田先生のお話を聞く機会があり。これは私が自ら聞きに向かったわけなのですが。
冒頭の通り、先生の話を聞いたら、俄然やる気になって!先生は、「やる気スイッチはない」と言われているけれども、私は自分の中にスイッチがあることを知っています😌それから文庫版の本を読みました。坪田先生の言うことは、本当なんだ!という確信が得られたから。
実は読書自体、ここ何年も・・・まともに本が読めなくて💦書く仕事は、それなりに引き受けている立場なので、そんなこと、人に知られたくないくらい、恥ずかしく、情けないことだと自覚していました。でもビリキャルの本を読んで、気持ちが変わりました。
もしこの本のタイトルが「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて早稲田大学に現役合格した話」だったら、私は読んでないと思うし、坪田先生に興味も持たなかったかもしれません。慶応義塾大学は、私の母校でもあります。私は、一応学年ビリではなかったし、ギャルでもなかった・・・けれども、大して出来が良くはなかった普通の子でした。さやかちゃんの大本命だった(!)、慶応義塾大学の文学部に一般入試で現役合格したのですが、それはそれは・・・周囲が驚いたことと思います。まぁ、どこかに入るだろうと思ってたけど、まさか慶応とは・・・程度には、驚かれたと思います。
もう〇十年以上前の話なんで(^-^; 今さら、受験勉強がどうのこうの、という話ではありません。
ただ本を読んで、思い出したこと、思い当たることがたくさんあったので、熱いうちに、ここに書いてみようと思い立ちました。
受験には、ビジネスでいう戦略が必要です。
私は、理数系がさっぱりだったので、早くから文系3教科に絞っていました。ただ(今はどうか分からないけど)当時は、私立の早慶以外は、国公立を落ちた人が行く・・・みたいなイメージが強く、進学校に行っていたこともあって、デキる同級生は基本、国公立受験を第一志望にすることが当たり前でした。習熟度のクラス編成だったので、私立に行きたくても、「国公立クラスに入っておけ(国公立クラスの方がレベルが上)」と言われ、私は「トップクラスのビリの方」というポジションを選ぶことになりました。
しかし、受験となったときは、私立の方が断然、勉強しやすかったです。センター試験のような一般的な試験で満遍なく点を取るのは返って難しい。私立だと、学部ごとに、問題の傾向がはっきりしています。細かい分析はできなくても、マーク式か記述式か、自分が好きな問題かどうでないか、くらいは判別できます。
私は圧倒的に、記述式で「〇文字以内で書きなさい」という設問に、ピッタリの文字数で解答することが得意だったので、慶応の文学部の問題は、はっきり言って、めちゃくちゃ、好きなタイプでした🤗ほかにも、自分が好きなタイプの問題を出すところばかりに願書を出しました。
つまり「アタリをつけて受験」したのです。受験生当時は、そんなこと、言えませんでしたが・・・。
結局、自分が好き!と思った問題だけを解き続け、アタリをつけたところにはすべて合格することができました。大本命の慶応義塾大学の文学部は、私の受験した年から、「辞書持ち込み可」になったのですが、持ち込んだ辞書は一度も開くことはありませんでした。長文が一題しか出なくて、設問が5問くらいしかなかったと記憶しています。ほぼ記述式で、下線部を〇文字以内で訳すとか、主人公がどう思ったのかを〇文字以内で書く・・・みたいな問題でしたから、先に設問を読んで、解答するのに、重要になる箇所を探しながら読まないと。1つの単語の意味なんて、どうでもいい!
今も商談のサポートをする仕事のときは、同じ感覚でいます。
まずは、売り先を決める。
これにアタリをつけて、売り先が欲しがる商品の傾向を自分なりに分析する。
商談のときに、質問されそうなこと、向こうが知りたいであろうことを予測して、その解答を、ある程度の文字数にまとめたり、文字だけでは伝わりにくい場合は、画像を貼付します。紙ベースで持ち込むときは、先方から指定のフォーマットがないなら、レイアウト構成を考えて、画像とテキストを配置します。
受験を終えて、大学生になったとき、私は模擬試験の添削のアルバイトをしたことがあります。そのとき、妙に納得したことがあるんですよね。
ものすごいたくさんの答案用紙に目を通さなくちゃいけない、
選択式なら簡単なんだけど、記述式の添削って、一字一句をチェックするなんて、ムリなんです。
じゃあ、どうするか、
記述解答の中には、必須のキーワードがありますから、そこだけしか見ないんです。そのキーワードで単語の意味を問われることはなく、だいたい、構文の理解を問われます。「私はこの構文を理解しています」ということが採点者に分かるような訳文を書かないと点はもらえません。
細か~いことじゃなくて、向こうが問うていることだけに、的確に答える!
言い換えれば、自分の想いとか、試作だからまだ味がどうのこうの、じゃなくて、商談で確認したいと言われていることだけを的確に答える!
ここで「自分の想い」というところがよく誤解されがちなところなんですけどね。私が商談に立ち合うとき、売り先はスーパー(上場企業)で、作り手側は小規模事業者、中小企業です。向こうは、「企業としての想い」は聞きたいけど、あなた個人の話は要らない・・・のです。でも、社長とその家族や少ない社員で成り立っていると、社長の個人的な想いが色濃く反映されてしまうので、うまくいけばいいのだけど、たいてい、余計な話までしちゃって💦 そこ・・・要らないからっていうことをしゃべってるうちに、時間が経って商談時間が終わってしまう。
これは、「企業の仕事がしたい!」と言っている個人の料理家さんにも同じことが言えます。
相手の知りたいことよりも先に、自分のことばっかりを喋ってしまう。
結局、何の役に立つ人なのかが、相手に伝わらないまま、名刺交換だけで終わってしまうんですね。
「要点を言え」とは、面と向かっては言われないけど、常に求められていることです。
私はあの頃・・・あの受験生時代に、戦略を立て、設問の意図を読み、決められた字数で的確にキーワードを入れて答える、という訓練をしていたのだと、今になって思います。
ビリキャルを読むと、さやかちゃんも同じように、受験を通じてたくさんの気づきと学びを得て、今に活かしていることが分かりました。すごく辛かったことも、乗り越えてみて、慶応義塾大学に入って、見た景色がどんなだったか。
とても良い心の刺激になりました。私も自分で「ムリ!」とは言わないことにしよう。
もう一度、目指した先にある景色をみたい。
久しぶりに読了したことで、自信を取り戻せた気がしました。


