先日、伊豆に行ったら、「めんたいパーク」ができていました。福岡の明太子を作っている会社「ふくや」が作った明太子専門パーク。これが伊豆(静岡県)だけでなく、兵庫県、滋賀県、愛知県・・・と、「こんなところに??」と思う県に出店しています。
こんな体験をしたとき、皆さんは何かリサーチをするみたいなことをやっていますか??
私はこういうときこそ、AIにその疑問を投げてみます。「こういうとき」というのは、自分が直接的に仕事に携わっていない、ことが前提で、何となく疑問に感じたことがあるとき、のことです。直接、携わっている場合は、もっと深堀りします。AIに聞いただけの情報ではアドバイスはできないので💦
今日は、この「めんたいパーク」についてのリサーチ結果を共有してみますね。以下、コピペです(笑)でも、へぇ~って思うこともあると思うので、ぜひ参考にしてください。
🐟 なぜめんたいパークは「産地でない場所」に出店するのか?
── マーケティング戦略の観点からの徹底分析
🗺️ まず:各拠点の立地を整理する
| 店舗 | 所在地 | 近隣の文脈 |
|---|---|---|
| 大洗 | 茨城県(1号店・2009年) | 海岸観光地、関東圏の工場適地 |
| とこなめ | 愛知県常滑市(2012年) | 中部国際空港隣接のりんくう地区 |
| 神戸三田 | 兵庫県(2015年) | 関西圏の内陸郊外 |
| 伊豆 | 静岡県函南町(2018年) | 東名高速・伊豆半島の玄関口 |
| 群馬 | 群馬県甘楽町(2022年) | 内陸部・首都圏から1〜2時間圏 |
| びわ湖 | 滋賀県野洲市(2021年) | 琵琶湖畔、京阪神から約1時間 |
① 【起点】東日本大震災による「必要に迫られた分散化」
すべての出発点は2011年の東日本大震災です。主力の大洗工場(茨城)が津波被害を受けたことで、かねふくはリスク分散のため生産拠点を全国に分散させるという経営判断をしました。
「かねふくは、2011年に大洗工場が東日本大震災による津波被害を受けた事から、生産拠点を分散させる事を目的として、2012年12月に愛知県常滑市に常滑工場を開設しました」
つまり、工場の場所は「工場として必要な土地」に設置されるのが第一義。そこに1号店・大洗での成功体験(工場見学+テーマパーク=集客できる)をそのまま適用した、というのが始まりです。
② 【核心】「産地でないからこそ出店する」という逆説的戦略
これこそが最も重要なマーケティングポイントです。
❌ なぜ福岡(産地)に作らないのか?
福岡に作ると「ただの明太子屋の一軒」になってしまいます。産地では競合も多く、消費者にとって明太子は日常品であり、テーマパーク化しても「珍しさ」がありません。
✅ 産地でない場所に作ると何が起きるか?
「なんでここに明太子のテーマパークが?」という驚き=口コミの原動力になります。
「理由はかねふくの名前と味を幅広い年齢層に知ってもらいたかったから」(大石社長) 「購買の中心のお客さんは年配の方。幅広い世代の方に明太子の美味しさを知ってもらいたくて、この施設を作りました」
つまり「明太子をよく知らない地域に乗り込んで、ブランドを一から植え付ける」という、非産地だからこそ成立する空白地戦略です。
③ 【立地戦略】「大都市圏から1〜1.5時間」の法則
各店舗の立地には明確な共通パターンがあります。
「大都市圏から1時間〜1時間半の立地で、景色がよく、ちょっとした小旅行を楽しめる場所に出店しています」(めんたいパークびわ湖・竹内支店長)
| 立地の条件 | 具体例 |
|---|---|
| 大都市圏から1〜1.5時間 | びわ湖→京阪神圏、伊豆→首都圏、群馬→首都圏 |
| 高速道路沿い・観光動線上 | 伊豆(東名)、とこなめ(中部国際空港隣接) |
| 景色がよい・既存観光地の近く | びわ湖畔、伊豆半島の玄関口 |
| 広大な駐車場が確保できる郊外 | 観光バス対応の大型駐車場 |
これはまさに「道の駅型モデル」──ドライブの途中でふらっと立ち寄れる、ちょうどよい距離感の観光拠点です。実際にバスツアーのコースにも組み込まれています。
伊豆については、施設担当者が**「大洗と常滑の中間地点に位置し、多くの観光客が訪れる立地を使い明太子の魅力をアピールしたかった」**と明確に語っています。izu.keizai.biz
④ 【収益モデル】「無料入場」による購買転換ファネル
めんたいパークのビジネスモデルの核心は、「無料」で引き込んで「購買」に転換するファネル構造です。
無料入場 → 工場見学(驚き・学び)→ 試食(体験) → 「生明太子」の直売(希少性)→ 購買
「できたて生明太子を1日1000パック売ったことがあります。1つ2250円なので……2250円×1000パック=1種類だけで225万円!」
**「生(一度も凍結していない)明太子」**はここでしか買えない限定商品。これが強力な購買動機になっています。スーパーで売っているものは解凍品であるという「知識」を工場見学で得るから、余計に価値が上がる仕組みです。
⑤ 【ブランディング】体験型施設による「経験価値マーケティング」
金沢大学の白石弘幸教授による学術研究では、めんたいパークのモデルが経験価値マーケティングの優れた実践例として論じられています。金沢大学経済論集
重要な3つの効果
🧒 子どもへのブランディング(20〜30年先への種まき)
「子供の時に歩き回った、試食した、おいしかったという思い出は大人になっても残り続ける。幼少期の思い出は購買年齢になった際にその個人の行動を規定する」
キッズコーナー(トランポリン・すべり台・ボルダリング)は遊び場として「子ども・親・祖父母」の3世代を同時に引き込む装置です。子どもが喜ぶことで、親・祖父母の財布も動く。
💬 口コミの自然発生(SNS時代との相性) 「群馬に明太子のテーマパーク?!」という驚きと違和感こそが口コミの火種。産地でない場所だからこそ、「行ってみたら面白かった」という体験は他者に話したくなる。
🏭 製造透明性によるブランド信頼 ガラス越しに製造工程を見せることで「安心・安全」を直接証明。食品不祥事が多い時代において、「見せられる工場」は強力なブランド資産です。
⑥ 【競争戦略】非産地での”独占的存在感”
産地の福岡では「かねふく」はライバル多数の一ブランドに過ぎません。しかし関東・東海・関西では、「明太子のテーマパーク=かねふく」という1対1の結びつきを確立できます。
非産地だからこそ:
- ライバルがいない
- 「本物感・珍しさ」が際立つ
- 「ブランドの独占的想起」(明太子といえばかねふく)が形成しやすい
🎯 まとめ:7つのマーケティング戦略の重なり
① リスク分散(BCP) × テーマパーク化(工場収益化)
↓
② 非産地への進出 = 空白地での独占的ブランド確立
↓
③ 大都市圏 1〜1.5時間圏 × 観光動線 = 小旅行需要の取り込み
↓
④ 無料入場 → 体験 → 試食 → 直売(現地限定商品)= 購買ファネル
↓
⑤ 3世代ターゲット(子ども〜祖父母)= 家族消費の最大化
↓
⑥ 「驚き」「違和感」= SNS口コミの自然発生
↓
⑦ 工場公開 = 製造透明性によるブランド信頼の確立
💡 一言で言えば
「なぜここに?」という違和感こそが、集客の最大の武器であり、産地でない場所を意図的に選ぶことで、”明太子=かねふく”のブランド認知を全国に広げるための戦略的選択である。」
これはハーレーダビッドソンが「バイク屋ではなく体験を売る」戦略に近く、コトラーのいう**体験マーケティング(Experiential Marketing)**の教科書的事例と言えます。


