\\フードプロデューサー育成講座 第2期生 11月より募集開始//

ご当地スーパーの魅力:菅原佳己さんインタビュー

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皆さん、こんにちは!フードプロデューサーの平山友美です。

今回、食のプロフェッショナルとして紹介するのは、スーパーマーケット研究家として全国のご当地スーパーのご当地食や、ご当地食メーカーの魅力を発信する菅原佳己さんです。
日本各地のご当地スーパーを訪ねて周るスーパーのエキスパートの菅原さんに、スーパーマーケット研究家としての活動や、これまでの経歴、ご当地食などへの思いを伺いました。

インタビュー形式で、わかりやすくお伝えしたいと思います。

Check !!
  • 菅原佳己さんについて知りたい
  • スーパーマーケット研究家について興味がある
  • 全国のご当地スーパーのご当地品やご当地メーカーを知りたい

という方にピッタリな内容です。

ぜひご覧ください。

食の仕事に携わっていきたい料理家さん、フードコーディネーターのための実践型カリキュラム「フードプロデューサー育成講座(初級)」を第2期生 2024年11月から募集開始です。詳しく知りたい方はLINEにご登録ください。LINEの登録はこちら

目次

インタビュー出演者(登場人物)

友美

友美:平山友美(ひらやまともみ)
フードプロデューサー。(※フードプロデューサーは「自分の住む町の事業者さんと共に食にまつわる「コトづくり」をする専門職です。)主に新商品の企画開発や販促物の制作、地域ブランドづくりに携わっています。商品の魅力を言葉にしたり、魅力的に見えるような演出を考えるのが得意です。
会社のホームページはこちらインスタグラムはこちら

菅原さん

友美:菅原佳己(すがわらよしみ)
スーパーマーケット研究家/一般社団法人全国ご当地スーパー協会代表理事
全国のご当地スーパーとご当地食メーカーをメディアを通して全力で応援。ご当地スーパー著書はこれまでに 5作。2024年10月2日に新刊『日本ご当地おかず大全』(辰己出版)を出版。現在、朝日新聞、雑誌 LDK、旅の手帖、その他 web で連載中。
ホームページはこちら。 インスタグラムはこちら

インタビュー(対談形式)

菅原さんとのインタビュー内容を記事にしてみました。

全国のご当地⾷をスーパーマーケットを通じて発信

友美

スーパーマーケット研究家としてどのような活動をされていますか?

菅原さん

全国のご当地スーパーを巡り、そこで売られている地域の⼈に昔から愛されているものや、最近開発されたもの、つまりご当地商品を⾒つけ、テレビや雑誌、新聞などで紹介しています。

友美

確かに、住んでいる県やエリアでスーパーにも特⾊がありそうです。

菅原さん

おそらく多くの⼈が、⾃宅から約半径 1kmのお店しか使っていないと思います。⽇々利⽤しているが故に全国展開されていると思いがちになりますが、実は地域に根付いたお店がほとんどなんです。

友美

なるほど。そういった全国のご当地スーパーを周られて、その魅⼒を発信していらっしゃるのですね。

菅原さん

ご当地スーパーと呼ばれる会社は規模が⼩さく、経営が厳しくなっているなか、頑張っていらっしゃるところも少なくありません。残念ながら倒産する場合もありますし、後継者がおらずやむを得ず閉店する場合もありますが、そうなる前に何かできることはないのかと。昨今は、SNS の普及などにより、情報が簡単に⼿に⼊る時代になりました。それに、公共交通機関や⾞を使えば、遠⽅からでも、ご当地スーパーに向かうことは可能です。応援というとおこがましい⾔い⽅になりますが、私が各都道府県のご当地スーパー情報を発信して、1 ⼈でも多くの⽅に興味を持ってもらいたいという思いで活動を続けています。

これまでに⾒たことのないスーパーの商品棚やご当地⾷材がきっかけに

友美

スーパーマーケットに興味を持たれたきっかけを教えてください。

菅原さん

私は東京都台東区の下町で⽣まれ育ちました。25 歳で結婚して、愛知県豊⽥市に移り住み、名古屋発祥のご当地スーパー「ヤマナカ」に毎⽇買い物へ⾏くようになりました。ある⽇、「お煎餅が⾷べたいな」と思って「ヤマナカ」へ向かうと、陳列棚に並んでいたのは、おびただしい数のエビせんべいだったんです。煎餅売場って書いてありながら、棚が全てエビせんべいで埋め尽くされていました。東京の⼈からみる煎餅は、草加煎餅的な丸型のお醤油味です。私が思う「煎餅」が全く売っておらず、その光景にただただ驚いたんです。

友美

それはびっくりですね!エビせんべいが占拠する棚は私も⾒たことがありません。そこから、どう思考が変わられたんですか?

菅原さん

若かったせいか、最初はただ単純に「なんか、ここおかしいんじゃない?」と思ったのが本⾳です(笑)。⾯⽩みは感じず、「なんだろう、このお店?」という違和感が残りました。ただ私は旅が好きで、週末になると⾞で近隣の県に軽めの旅に出ていました。その地域のスーパーに寄ると、やはり⾒たことない⽜乳やパンなどが置いてあったり、お惣菜コーナーを⾒てみると知らない郷⼟料理が並んでいました。そこで「もしかして、全国のスーパーには、それぞれ⼤きな特⾊があるのでは?」ということに、徐々に気が付いていったんです。

友美

⼀番衝撃を受けた商品はありますか?

菅原さん

京都のメーカーが製造している「せみ餃⼦」です。私をこの世界に引き込んだきっかけになりました。関⻄地⽅へ⾏くと、「せみ餃⼦」という名のチルド餃⼦が必ず売られています。パッケージにもセミの絵が描いてあるんです。

友美

餃⼦に「せみ(蝉)」ですか!ものすごいインパクトがありますね。

菅原さん

なぜこんな変わった名前なのかを調べたくても、当時は SNS もなく、メーカー側もしっかりしたホームページを持っていない時代でした。どうしても名前の意味が知りたくて「なんでセミ餃⼦っていうんですか?」って直接、メーカーに電話をかけたんです。そしたら、はんなりした京都弁の⼥性が「夏になるとセミがミンミン鳴きますやろ。うち、会社名がみん
みん⾷品いいますねん」って⾔ったんでよ。みんみんだから、セミ餃⼦…。そんな名前の付け⽅があるのかと電話⼝で爆笑しちゃっ(笑)。しかも、関⻄地域の⼈はおそらく全員⾷べているほど有名な餃⼦なのに、当時はその名の由来を知る人はほぼいなかったんじゃないでしょうか。

友美

地域の⼈には当たり前すぎる商品だからこそ、誰も知らなかったんですね。

菅原さん

そこでハッと気づいたんです。「私がこのまま死んだら、この真実を知っている唯⼀の⼈間が死ぬことになる。誰かに教えてから死ななきゃダメだ」と。そうして、かつて働いていた講談社の知り合いに、本の企画書と原稿、商品の実物を段ボールに詰めて送ったら、奇跡的に無名作家の企画が通ったんです。それが私の1 作⽬の著書になりました。

友美

それが、スーパーマーケット研究家としての第⼀歩になったと。

菅原さん

そうです。私は、スーパーマーケット研究家になろうと思って⽣きてきたわけではありません。スーパーのおもしろいところを⾒つけながら生活をしていたら、⾃然と今の肩書を名乗らせてもらえるようになったんです。

出版社や放送業界で働いた経験で得たオリジナルの価値

友美

出版社で働いていらしたのはいつからですか?

菅原さん

結婚してからです。東京名古屋間の転勤が多い⼈と結婚したので、講談社でアルバイト的な働かせ⽅をさせてもらっていました。そこで、たくさんの原稿を読み、校正マークなども覚え、⽂章に関することにたくさん触れ、本を出すのに必要な基礎情報を得たと思っています。

友美

放送作家だったというお話も聞いています。

菅原さん

結婚する前の5年間は、放送作家として働いていました。だから、ものを斜めから⾯⽩く⾒る側⾯は⾃分の中にあったと思います

友美

なんて多彩!

菅原さん

いえいえ、器⽤貧乏なんです。放送作家も結婚して辞めてしまったから全然極まっていません。出版社勤務もアルバイト的なお⼿伝いですから、全てを経験しているわけではありません。主婦業もやりましたが主婦を極めたわけでもないんです。

友美

つまり、それぞれの⼩さな経験が総合されて今に⾄っていると。

菅原さん

そう思います。⼀時期、⾃分は社会との関わりがあるほど⼿に職がないと思っていました。⾝の回りの⼥性がどんどん活躍し、出世し、活躍している姿を⾒ると、⾃分には太⼑打ちできないと思うこともありました。でも、⼩さな積み重ねからオリジナルの価値を⾒出せることを、⾃分を通して知ることができたと思います。

ご当地スーパーに行って知る地域の食文化

友美

これまで、どれだけの都道府県、そしてスーパーマーケットに⾏かれましたか?

菅原さん

47 都道府県は、もう 3 周ぐらいしていると思います。⾏ったスーパーマーケットは約 1000件です。

友美

すごいですね…!ご当地スーパーを巡る魅⼒を教えてください。

菅原さん

例えば、皆さんが県外に観光に⾏ったとき、必ずテッパンの観光地に向かいますよね。古い町並みを歩いたり、景⾊を楽しんだり、歴史や⽂化に触れると思います。でもその周辺のお店のほとんどは、観光客向けの⾷べ物ばかりです。でも、せっかくお⾦出すんだったら、郷⼟料理が⾷べられる店に⾏きたいですよね。それをいち早く知れるのが、ご当地スーパーです。地元の⼈が普段慣れ親しんでいる⾷べ物が並んでいます。これまで全く知らなかった、地元の⽇常⾷に触れることができます。⾷⽂化の違いを知れるのも楽しいです。

友美

2023 年の 1 年間、キャンピングカーで⽇本のスーパーを周られたと伺いました。

菅原さん

娘が海外に留学したことをきっかけに、以前から思い描いていた「キャンピングカーで暮らすように各地を転々と旅してみたい」という夢を叶えました。中古のキャンピングカーを購⼊して全国のご当地スーパーを巡り、ご当地スーパーで買ったもので1⽇3⾷を過ごすという夢の⽣活をしてきました。楽しかったですよ。

各地のローカルスーパーを全力応援

友美

お仕事をされる上で⼤切にされていることを教えてください。

菅原さん

まずは、宣伝部⻑になったつもりで、地元の⼈たちから代々愛されているご当地スーパーのロングセラー品の良さを皆さんに知ってもらいたいと思っています。

友美

地域ならではの⾷は、とても興味深いです!

菅原さん

ただ、ご当地⾷とは、地域の人々の好みにあった味だからこそ、長らくその地だけで愛されてきたものです。全国の⼈がまんべんなくおいしいと思うものは、各地に受け入れられ全国商品になっていますからね。ここでお伝えしたいことがひとつ。もし、皆さんが旅に出てご当地⾷を⾷べたとき、ネガティブな感想を SNS などで発信するのはやめてほしいんです。ご当地⾷は、おいしくないのではなく、県外育ちの人の⾆に合わないだけです。その地域の⼈にとっては、大切な家族や友人たちとの思い出が加味されたおいしいもので、代々受け継いできた味ですから。

友美

地域や⾵⼟の⽂化や味が、ご当地⾷には宿っているんですね。

菅原さん

だから私は、これまで「おいしい」とは⼀⾔も発したことはありません。客観的に「味噌が効いていて、まったりしてご飯が進みます」など、その⾷べ物の特⾊がわかるような書き⽅をしています。なぜなら、それがおいしいと思うかどうかは、⼈それぞれだからです。ただひたすら知ってもらいたい、応援したいという思いで活動しています。

友美

最後に、皆さんへメッセージをお願いします。

菅原さん

ぜひ皆さんも、旅先でご当地スーパーに寄ってみてください。新しいものに出会うだけでなく、商品のストーリーに触れるのもとてもおもしろいですよ。

最後に

菅原さんのご当地スーパーやご当地⾷への愛が存分に伝わってきたインタビューでした。菅原さんの活動は、ただご当地の魅⼒を伝えるだけでなく、歴史が育んできた⽇本の伝統ある⾷⽂化を後世に残されているのだと思います。その⼟地を知るら、ご当地スーパーへ。この⾔葉を合⾔葉に旅に出かければ、より⼀層、地域を深掘りできるはずです。菅原さんの新しい著書も要チェック!

菅原さんの新著はこちらから
日本ご当地おかず大全

弊社では新商品の企画開発や販促物の制作、ブランド作りに携わっています。お気軽にお問い合わせください。

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