世の中には・・・予約のみ営業で、その予約がなかなか取れないという予約困難店があります。広島にもいくつか名前が挙がる店があり、その1つが「中国菜 吉日」です。予約をとったのが3月1日、訪問したのが7月30日という4ヶ月半の「待ち」時間を経て、ようやく行くことができました✨この日を記念し、ここに「予約困難店シリーズ」の第1弾としてしたためておきたいと思います。
場所は広島駅から少し歩きますが、まぁ徒歩圏内。そして店構えは意外なほどこじんまりしていて、普通の定食屋さんのよう。その並びにはお好み焼き屋さんがあり、本当にひっそりと静かな佇まいです。

店内は、カウンターのみ。かつては「中国料理」というと、円卓を回しながら大人数で食べるもの・・・というイメージでしたが、最近はコース仕立てで提供される店も増えてきました。本場の中国料理の調理法を用いながら、使う食材は広島や山口など地元の旬の食材を軸にしています。店主の吉山貴文さんは、長野県の会員制ホテルで16年研鑽を積み、地元広島にUターンして開業されました。広島を離れている期間が長かったこともあり、開業時はほとんど知り合いもいなかったそうです。それでも、開店を聞きつけた広島県のおいしいもの好きさんたちが次々と訪れ、SNSなどの口コミであっという間に広まり、今や「予約開始日、開始時間」になると、秒で満席になるという、大人気店になりました。

中国菜 吉日は、吉山さんの旬の素材を軸に据えたおまかせコースのみ。カウンター越しに、テキパキと仕上げていく様子を見ながら、一皿ずつを楽しみに待ちます。古い民家を改装した店内は、どことなく、家庭的な雰囲気もあります。カウンター越しに見えるといっても、黙々と調理をする料理人さんも多い中、吉山さんはとっても気さく。その日のコース内容を簡単に紹介した「菜単」(中国料理で「お品書き」や「メニュー」を指す一般的な言葉)は用意されていますが、出てくるときに、その食材の産地やより詳しい調理方法などをさり気なく語ってくれます。
7月吉日のメニュー紹介
もう次はいつ行けるか・・・分かりませんが、7月吉日に「吉日」を訪れた証しをここにレポートしておこうと思います。友人とお喋りしながらのひとときだったので、聞き間違えていたらごめんなさい💦
剣先いか、枝豆の紹興酒漬け
最初の一皿は、剣先いかと枝豆の紹興酒漬けでした。いかの少しねっとりした食感と、枝豆の青い香り。“酒肴”として出されたのかな。この日は飲めないお友達と一緒だったので、スパークリングを一杯いただいたあとは、中国茶を楽しみました。

滑水蛋(ホワシュイダン)
続いて登場したのが、北広島・大朝で育てられている平飼い卵を使った滑水蛋(ホワシュイダン)。ひとことで言えば中華圏で親しまれている、なめらかさを極めた蒸し卵料理の系譜で、日本の茶碗蒸しにも通じるのですが、口当たりはさらに“するり”とほどける印象です。とうもろこしの実が美しかったですが、それだけでなく、ヒゲ・皮・芯まで使って出汁を取っているそうで、とうもろこしの自然な甘みが引き立っていました。

雲白肉(ウンパイロウ)
次は四川の定番冷菜雲白肉(ウンパイロウ)。雲白肉は、茹でた豚肉を薄く切り、きゅうりなどとともに盛り付け、甘みと香りのあるタレで食べる料理で、“たなびく雲”のような肉の姿が名前の由来とされています。今回は広島のキングポークのバラ肉に、安佐南区長楽寺の長なすを合わせた一皿。タレは 甘みと香辛料の風味がある醤油である甜醤油(テンジャンユ)が使われますが、もちろん自家製。甘みは控えめで、豚肉となすのおいしさが印象的でした。

海老と夏野菜の炒め
食べ応えのある海老と、夏野菜は万願寺唐辛子、ズッキーニ。刻んだ大葉が存在感を放っていました。

山口県産ハモのフリット
山口県で獲れたハモのフリットに広島のキングトマトとみょうが。とても夏らしい一品でした。

フカヒレの醤油煮込み
コース中盤の山場のひとつが、フカヒレの醤油煮込み。こんな贅沢にフカヒレを味わえたのは何年ぶりでしょうか⁉ 2~3口食べたところで、フカヒレの出汁で炊いたおじやを追加してくれました。これがまたたまらないですよね~


山口県産マナガツオの鮮魚蒸し
本日の蒸し魚は、山口県産のマナガツオ。これは新鮮な魚が手に入ったときには、家でもよくやります。魚を蒸すことによって出てくる出汁は、透明で上品なうま味がありますよね。

和牛イチボのステーキと北広島のピーマン
肉料理は、低温調理した和牛イチボと北広島のピーマンをオイスターソースで味付け。一緒に食べるとどこかチンジャオロースを思わせますね。

炒飯
炒飯もこんな食べ方があったのね・・・!と、新しい気づきをもらった一品。甘鯛を素揚げしたものがのった炒飯で、沙茶醤(サーチャージャン)で味付けされたもの。沙茶醤は、魚介の旨みをベースに、にんにく、エシャロット、ごま、香辛料などを合わせた、中国南部や台湾で親しまれる複合調味料です。これももちろん、自家製。吉山さんはエビをメインにしてとった・・・と言ってたかどうかは定かではないですが💦魚介のうま味調味料と揚げ立て甘鯛を自分で混ぜて食べる炒飯・・・って、想像しただけで美味しそうに思いませんか⁉

青柚子風味の汁そば
チャーハンのあとに続くのが、青柚子風味の汁そば。青柚子の香りがさっぱりと締めくくってくれました。スープも美味しくて、全部飲み干しました。

本格杏仁豆腐
台湾の完熟パイナップル添え。デザートの杏仁豆腐も、かなり本気です!香りの強い南杏と、ほのかな苦みや奥行きをもつ北杏をブレンドして作る、本格的なタイプの杏仁豆腐。一般に市販では杏仁霜や香料を使った軽い仕立てのものも多いですが、杏の種の仁そのものを使った杏仁豆腐は、香りの立ち方に深みがあります。そこに台湾の完熟パイナップル。驚くほどの完熟具合でした!

シャインマスカット飴と、きんもくせいの生キャラメル
最後の小菓子まで抜かりなし。広島県産のシャインマスカット飴は、目の前で飴掛けしてくれる演出つき。パリッとした飴の薄膜と、果実のみずみずしさの対比が楽しく、コースの締めに華やかさを添えてくれます。さらに、きんもくせいを使った生キャラメルが続き、香りの余韻で食事が終わる。この終わり方まで含めて、とても丁寧でした。


中国茶
食中に2種類、食後に1種類・・・と、意外とたくさん飲んでいました💦それと言うのも、全種類、飲んでみたくなるような・・・魅力的なお茶だったのです。

コース内容にも大満足。一皿ごとのボリュームもちょうど良くて、最初から最後の茶菓子まで、存分に楽しむことができました。予約困難店と言うと、どうしても敷居の高さを感じてしまいますが、ここは予約可能な日に、スマホの操作を素早くすることによって・・・取れる可能性はあります(笑)
本当はこういうところこそ、接待利用をしてみたいけれど、何か月も先に予約しておかないといけないので、ムリですね💦
今回は、気心の知れた友人と3人で行きました。久しぶりの再会を喜びながら、お料理も楽しめてすごく充実した時間を過ごすことができました。チャンスがあれば、ぜひ行ってみてください(*^-^*)

