こんにちは。フードプロデューサーの平山友美です。
皆さんは、「6次産業化」について知っていますか?
「6次産業化」とは、農林漁業者(1次産業)が、農畜産物の生産だけでなく、製造・加工(2次産業)やサービス業・販売(3次産業)にも取り組むことで、生産物の価値をさらに高め、農業所得の向上を目指す取り組みです。2011年3月1日から施行されました。
今回は、「6次産業化の概要と実際の成功事例」について記事にまとめてみました。前半は、6次産業化の概要・背景・メリット・デメリット、後半は、6次産業化の参考事例として梶岡牧場様(山口県美祢市)を取り上げさせて頂きました。
- 「6次産業化」が知りたい
- 「6次産業化」の参考事例を知りたい
- 「梶岡牧場(山口県美祢市)」の6次産業化の取り組みを知りたい
という方にピッタリな内容です。
ぜひご覧ください。
6次産業化とは
6次産業化とは、農林漁業者(1次産業)が、農畜産物の生産(魚の収穫)だけでなく、製造・加工(2次産業)やサービス業・販売(3次産業)にも取り組むことで、生産物の価値をさらに高め、農業所得の向上を目指す取り組みです。6次産業という言葉は、東京大学名誉教授の今村奈良臣先生によって提唱された造語と言われています。
6次産業化の背景・認定件数
6次産業は近年、農林水産省などが中心となって国を挙げて推進されています。その背景には、様々な要因がありますが、農林水産物の市場規模の低迷という問題があります。農林水産省の令和2年度6次産業化総合調査結果は下記の通りです。
そのため、6次産業化によって、生産物の付加価値を高め、農林漁業者の所得向上や雇用の創出が目指しています。
また、6次産業化を目指す事業者には、農林水産省の支援を活用するのが経済的です。事業者が6次産業化の事業内容を盛り込んだ総合化事業計画を作成し、農林水産省が認定する制度になります。認定を受けた生産者は審査をクリアすれば、国による支援対象となります。
実際、認定事業者は、2023年8月末時点で2,634件まで増えています。
(出所:六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画等の認定について:農林水産省)
6次産業化のメリット・デメリット
6次産業化のメリットは下記の通りです。
① 農産物の有効活用、販路拡大ができる。
② 中間コストを削減できる。
③ 審査をクリアすれば、国による支援を受けることができる。
一方、6次産業化のデメリットは下記の通りです。
① 新規事業を実施するため、コスト(金銭的コスト、時間的コスト)がかかる。
② 想定通り販売できるわからず、在庫リスクがある。
③ 補助金を活用する場合、書類関連の準備が大変。
6次産業化という言葉が生まれる前から取り組んでいた梶岡牧場(山口県美祢市)
次に、6次産業化の参考事例として梶岡牧場様を取り上げます。六次産業化という言葉が生まれる前から取り組んでいた梶岡牧場(山口県美祢市)では、事業の変遷を経て6次産業化に取り組みました。
会社名 | 有限会社 梶岡牧場 |
所在地 | 〒759-2221 山口県美祢市伊佐町河原782 |
代表者 | 梶岡 春治 |
飼育頭数 | 最大収容頭数 500頭 |
『繁殖~肥育~レストラン』までの一気通貫の梶岡牧場スタイルに転換のきっかけ
2011年8月1日、安愚楽牧場の倒産により、事業の転換を余儀なくされました。
もともと、「預託」という形で事業を展開していました。ただ、今まで通り下請け構造であれば今回のように取引先の事業失敗に巻き込まれてしまいます。そのため、2014年、14頭の母牛を購入して繁殖、肥育から精肉まで一気通貫で手掛ける体制に一新した。
レストランで梶岡牛を提供し、ToB向けにたい肥を販売
とことん健康と味を追求して天塩に育てた牛を、2018年「梶岡牛」として世に出しました。
当初は生産が追い付かず、自社レストランで提供するのが精いっぱいだったが、今では、レストランオーナーに出荷情報をリリースするとあっという間に有名レストランからの注文で埋まるようになった。
また、牛の居住スペースで使っているおがくずの敷料を発酵させたたい肥「ヒューマス」は、全国の農家様から引っ張りだこの状況です。1968年の創業時より続けていた事業ですが、地元農家の方はもちろん、北は北海道から南は沖縄まで幅広い事業者の方に利用されています。
有限会社梶岡牧場 レストラン「FIRE HILL」取材写真(2023年)になります。
最後に
今回は、「6次産業化の概要と実際の成功事例」をブログ記事にまとめてみました。
6次産業化に関して、農林水産省の取り組み、梶岡牧場様(山口県美祢市)の事例、などを調査してブログ記事を記載させて頂きました。少しでも参考になれば幸いです。
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