こんにちは。平山友美です。
皆さんは、国内最大規模の食の商談会「スーパーマーケットトレードショー」を知っていますか?
「スーパーマーケットトレードショー」とは、スーパーマーケットを中心とする食品流通業界に最新情報を発信する商談展示会です。国内最大規模の食の展示会には、全国各地から食品メーカーが出展します。さらに、全国の小売業をはじめ、卸・商社、中食、外食などから多数のバイヤーが来場します。
2024年の同展示会は、2月14日から16日までの3日間、千葉市の幕張メッセで開催されました。
今回は、食のトレンドを探ろうとたくさんの人で賑わった「第58回 スーパーマーケット・トレードショー2024」の様子をレポートします!
- スーパーマーケットトレードショーについて知りたい
- 食品業界に興味がある
- スーパーマーケットトレードショーの最新の様子を知りたい
という方にピッタリな内容です。
ぜひご覧ください。
スーパーマーケットトレードショーとは?
「スーパーマーケットトレードショー」は、全国スーパーマーケット協会が主催する、国内最大規模の展示会です。年に1度開催される同展示会では、食品業界や小売業界の専門家が集まり、新製品やサービス、最新のトレンドが紹介されます。さらに、ビジネスの機会を作る場として、多くの食品メーカー、供給業者などが出展し、商談やネットワーキングが行われます。
また、セミナーやパネルディスカッションなども開催され、業界の最新情報を得ることができるのも特徴です。食品業界のみならず、小売業界全般に関わる専門家や企業が参加することができるため、幅広い情報交換の場としても機能します。つまり、スーパーマーケットトレードショーは、「食」全般に関わる人にとって、商談だけでなく、新しい商品やサービスを発見し、競合他社の動向を把握するなど、さまざまな示唆を得るには絶好の機会となるのです。
コロナ禍で規模を縮小していた同展示会は、今年は大きな規制なく通常開催。幕張メッセの1号館から11号館までの広大な敷地には、全国から集結した2100社以上が出展していました。企業それぞれが趣向を凝らしたブースが集う、テーマパークさながらの雰囲気に心が躍ります。
「食」の最前線がわかるスーパーマーケットトレードショー
主催者発表によると、3日間の総来場者数は、75,858人と大盛況。活気と熱気でいっぱいの同会場を、ハイライトでお届けしましょう。
絶対注目!食のトレンドゾーン
最新トレンドに特化した「食のトレンドゾーン」では、アフターコロナで期待が高まる「インバウンド」、「サスティナビリティ」、そして「冷凍」の3つをテーマに、情報や商品、サービスが紹介されていました。
中でも印象的だったのが、インバウンドに関する情報展示。急速な勢いで増える訪日外国人観光客への対応は、食品業界においても、今、話題のカテゴリーです。インバウンド消費の拡大における、売上向上を図る目的で新設されたエリア内では、データと共に示す展示がなされ、さらにインバウンド関連企業5社が出展。英語に悩む事業者を助けるべく、惣菜和英辞典も無料配布されていました。
実際に食べて味わえる!体験型の「デリカテッセントレンドショー2024」
お弁当やお惣菜など、中⾷産業の最新情報を発信する商談展示会「デリカテッセン・トレードショー」では、昨今ニーズや社会的役割がますます高まるデリカについての展示や企画が催されていました。ただ見て回るだけでなく、現場の「おいしい」を体験できるのも、同エリアの魅力です。特に「お弁当・お惣菜大賞2024」は、大きな盛り上がりを見せていました。
今年は、スーパーマーケットや専門店などで、実際に販売されている1万4992商品がエントリー。その中から、食の専門家で構成された審査員が、優れた商品を選出して表彰します。賞を受けた商品の一部はフードコート内で販売され、実際に食べてみることも可能です。
栄誉を受賞したお弁当やお惣菜、パン、スイーツなどを深掘りし、さらに「デリカテッセントレードショー」を詳しく解説した詳細は、別ページで紹介しています。
デリカテッセントレードショーについての記事は下記をクリック!
全国選りすぐりのお酒を試飲できる「てづくりNIPPON」
全国から地域の酒造メーカーを集めた酒類アルコールの「てづくりNIPPON お酒のあるく・ら・し」ゾーンも、盛況な賑わいをみせていました。日本酒、クラフトビール、ワインなど、選りすぐりの造り手たちが展開する、地域や質にこだわったお酒に、試飲の列がずらり。
日本の酒文化を紡ぐ、各蔵、そして醸造所の思いが伝わるのは、実際に商品を見て試して、その背景を知ってこそ。加えて、長いコロナ禍を経てお酒が存分に楽しめる世の中が戻ってきたことを、改めて実感しました。
加工食品から生鮮、菓子、設備資材まで食のトレンド勢揃い
展示は、「設備や資材」、「加工食品」「生鮮」「飲料」「菓子・スイーツ」など、カテゴリーごとに分かれた、さまざまなゾーンに分かれています。
9号館と10号館を埋め尽くしたのは、全国の地方自治体などが設けた「地方・地域産品」ゾーンです。こちらも3日間を通して、たくさんの人で溢れていました。北は青森から、南は沖縄まで、普段はお目にかかることのできない個性光る小規模事業者が、各都道府県や商工会の後押しを受けて出展。そこかしこで、声かけがなされ、自社のブランドや製品を多くの人に見てもらおうという熱気が伝わってきました。
地域色の強い商品のサンプリングや試食も積極的に行われ、新しい食体験ができるのも「スーパーマーケットトレードショー」の醍醐味です。
それではここで、「地方・地域産品」ゾーン、そして「菓子・スイーツ」ゾーンから、当社が本社を置く、広島県の企業ブースをいくつかご紹介しましょう。
生姜製品でランキング雑誌1位!尾道のイトク食品
尾道に本社を構える「イトク食品株式会社」は、生姜製品を主力とする食品メーカーです。注目すべきは「蒸し生姜湯」。原料を全て国産にこだわり、「生生姜」と「蒸し生姜」をたっぷりと配合した同商品は、忖度の無い雑誌として知られる「LDK1月号」の「温活商品編 しょうがフードで内からポカポカを目指そうコーナー」で、なんと1位を獲得!これから、全国に羽ばたく商品になりそうです。
リブランディングでさらに洗練!広島県の牡蠣生産者「倉橋島海産」
倉橋島で牡蠣の生産を営む「倉橋島海産」は、種付けから加工まで一貫生産する牡蠣の先鋭的企業として知られています。この冬、より高みを目指すべくブランドイメージを刷新。長年培ってきた牡蠣生産の経験と知恵はそのままに、若い女性にも牡蠣を手軽に手に取ってもらえるようにと、商品パッケージなどを淡い水色に変更しました。丹精込めて育てた牡蠣を「ひろしま完熟かき」と名付け、広島から牡蠣そのものだけでなく、牡蠣をとりまく文化の発信に努めています。
おつまみスナックといえばこれ!イカ天で名を馳せる「まるか食品」
おつまみスナック「イカ天瀬戸内れもん味」で全国的大ヒットを飛ばす「まるか食品」も、全商品ラインナップを揃えてブース出展。近年では、「イカ天瀬戸内れもん味」に続き、瀬戸内の地域素材を使ったイカ天やのり天も人気です。しかし、やはりレモン風味のイカ天は定番の大人気商品。2024年2月には、「JAPAN FOOD SELECTION」にて、第1位を獲得しています。同社が放つイカ天の勢いは、さらに加速しそうです。
備後の豆といえばここ!明治2年創業の豆菓子老舗「徳永製菓」
福山市の豆菓子の老舗と言えば「徳永製菓」です。明治2年創業の同社では、「おいしく、楽しく、体に良い」をモットーに、さまざまな豆菓子を販売しています。チョコレートコーティングされたスイーツのような商品や、お酒にぴったりあう、塩気の効いたものまで、幅広い商品展開が魅力です。伝統を受け継ぐ職人技から生まれる豆菓子は、全国から「おいしい!」との声が続出中。健康に良いとされる豆やナッツを、現代にアップデートし歴史を紡いでいます。
食の関連業者必訪!学びの場として力がつく展示会
3日間の間、幾度も会場を周っても、全てを見きれない規模を誇る「スーパーマーケットトレードショー」。食のプロが一堂に集まる大規模展示会は、日本の食品業界の近未来がギュッと凝縮された、コンパクトシティのようでした。
新規ビジネスチャンスの創出イベントとして名を馳せる同展示会。新商品や設備に驚くだけでなく、企業の思いが伝わる魅力的な商品、そして熱い気持ちを持つ多くの人々との出会いに、終始感動しました。食に関わる仕事に就く人にとって、年を追うごとにアップデートするブースの魅せ方や最新鋭の機器など、新たな学びと発見があるでしょう。ぜひ皆さん訪れてみてください!と言いたいところですが、こちらに入場できるのは業界関係者のみです。
次回は、今年と同じく幕張メッセにて、2025年2月12日から14日までの開催が予定されています。アイデアに富む食の最新情報を、ぜひ「スーパーマーケットトレードショー」で体得してみてください。
弊社では新商品の企画開発や販促物の制作、ブランド作りに携わっています。お気軽にお問い合わせください。