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いただきます!ぶちうま継承プロジェクト〜芸北に伝わる郷土の味〜【開催実績】

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こんにちは。フードプロデューサーの平山友美です。

2023年11月、「いただきます!ぶちうま継承プロジェクト〜芸北に伝わる郷土の味〜」における食育イベントを芸北地方で開催しました。「いただきます!ぶちうま継承プロジェクト」とは、広島県の青少年育成事業の一環で、子どもたちに広島県内に伝わる郷土料理、郷土の味に関心をもってもらい、絶やすことなく食べ継いでいってほしいという願いと期待を込めて実施するものです。

今回は、「いただきます!ぶちうま継承プロジェクトとは?当日の様子」についてブログ記事にまとめてみました。

Check !!
  • 「いただきます!ぶちうま継承プロジェクト」が知りたい
  • 「いただきます!ぶちうま継承プロジェクト〜芸北に伝わる郷土の味〜」での当日の様子を知りたい
  • 広島県の食育についての取り組みが知りたい

という方にピッタリな内容です。

ぜひご覧ください。

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目次

いただきます!ぶちうま継承プロジェクト」とは

「いただきます!ぶちうま継承プロジェクト」とは、地域に伝わる「食」をみんなで味わいながら、そのおいしさを育んだ地域の歴史も学び、子どもたちの生きる力を伸ばすとともに、次の時代へ伝統文化を継承していこうというプロジェクトです。令和3年度から5年計画で進めています。

下記の動画は、第二弾「三次に伝わる郷土のおやつ」のダイジェスト動画です。「かしわ餅」や「焼き米おはぎ」を作りました。

(出所:令和4年度いただきます!ぶちうま継承プロジェクト ~三次に伝わる郷土のおやつ~ | 公益社団法人青少年育成広島県民会議

第一弾「廿日市桶ずし」に続き、第二弾として「三次に伝わる郷土のおやつ」をテーマに、「おばあちゃんのかしわ餅づくり」及び「焼き米のおはぎづくり」を実施しました。第二弾の「三次に伝わる郷土のおやつ」プロジェクト全体についてはこちらもご覧ください。

いただきます!ぶちうま継承プロジェクト」の背景

2021年に公表された「第4次食育推進基本計画」にて、2021年度から2025年度までの5年間の計画で、「食育」を国民運動として推進するための定量的な目標を掲げています。その中の「郷土料理や伝統料理を月1回以上食べている国民の割合」を増やすために、「いただきます!ぶちうま継承プロジェクト」を実施されている一つの要因です。

現状値
(令和2年度)
目標値
(令和7年度)
朝食又は夕食を家族と一緒に食べる
「共食」の回数を増やす
週9.6回週11回以上
栄養教諭による地場産物に係る
食に関する指導の平均取組回数
月9.1回月12回以上
食品ロス削減のために何らかの
行動をしている国民の割合
76.5%*80%以上
郷土料理や伝統料理を
月1回以上食べている国民の割合
44.6%50%以上

出所新たな「食育推進基本計画」の公表について:農林水産省
*令和元年度の数値になります。

参考記事:【食育】食育基本法・平山友美の食育取り組み事例

「いただきます!ぶちうま継承プロジェクト〜芸北に伝わる郷土の味〜」の概要

第3弾となる2023度の「いただきます!ぶちうま継承プロジェクト」は、芸北・北広島エリア。1回目は芸北の特産品であるりんごに触れ、郷土料理「角寿司」を学びました。2回目は昔から家庭でよく作られていたものの1つ、「おかず味噌」を学びました。どちらもジビエについても触れました。今、里山で課題になっている猪やシカについて知ってもらう機会になりました。それぞれの内容をレポートします。

「いただきます!ぶちうま継承プロジェクト〜芸北に伝わる郷土の味〜」の概要
  • タイトル:いただきます!ぶちうま継承プロジェクト〜芸北に伝わる郷土の味〜
  • 11月5日(日):りんご狩りと郷土料理(@芸北文化ホール)
  • 11月25日(土):おかず味噌「ジビエ味噌」作り(Zoomにて開催)
  • 対象:広島県内の小学校生の児童と保護者

このときの様子は動画でもご覧いただけます。

11月5日 りんご狩りと郷土料理(芸北文化ホール)の様子

当日の様子をレポートしますね。

11月5日 りんご狩りと郷土料理(芸北文化ホール)のスケジュール
  • 9:30 受付開始
  • 10:00~10:15 オリエンテーション
  • 10:30~11:30 槇原農園(りんご狩り&芸北のリンゴ農家の1年間を学ぶ)
  • 11:45~13:00 調理実習(家庭の角寿司作り)
  • 13:00~14:00 食事会(試食会)
  • 14:15〜 芸北オークガーデンの見学
  • 自由解散

槇原農園にてりんご狩り

槇原リンゴ園 見学①
槇原リンゴ園 見学②

まずみんなで、芸北地方のりんご農家の1年間についてまとめた動画を見て、農家さんがどんなに手間ひまかけて、りんごを育てているかを学びました。それから実際に「槇原農園」に行って、りんご狩りを楽しみました。実はりんごには、予め参加者の名前や「ゆっぴー」のシールを貼り付けておいたのですが・・・

槇原農園にてりんご狩り

文字の部分だけ、赤く色づかないようにしてもらいました!でも途中でシールがはがれたりして、きれいに名前が入っていなかったものもあって、申し訳なかったです・・・

子供たちに下記の動画を見てもらいました。

春夏秋冬によってリンゴの樹の状態が変わります。春はリンゴの樹に白い花が咲きます。1本のリンゴの樹に約10万の花が咲きますが、そのまま全部を育てると、1つ1つが小さなりんごになってしまうので、花摘み作業(間引き)を行います。他にも均等に赤く色づくように、葉を摘み取ったり、「玉まわし」と言って、りんごをそっと回転させる作業など、1玉ずつにとても手間をかけて育てられています。

りんごの取り方を教えてもらったら、子供たちはさっそく、自分の名前入りのりんご探し!一心不乱にりんごを探す姿はとっても可愛かったです。最後に、参加者の皆さんと記念撮影!

槇原リンゴ園 見学③

家庭の角寿司などを地元の方と一緒に調理

りんご狩りを楽しんだ後は、調理室に戻り、芸北の家庭に伝わる「角寿司」などの郷土料理を地元のお母さんたちに教わりました。

調理実習(家庭の角寿司作り)①

ここでは「角寿司」専用の木型を使いました。他のケーキ型や牛乳パックで代用したのでは、本場の「角寿司」にはならないのです!木型は、地元の皆さんが家にあるものを持ち寄ってくださいました。

角寿司は、上に具がのっているだけではありません。外からは見えないのですが、「中具」と呼ばれる具がたっぷり入っています。中具の材料は、家庭によって違うようですが、このときは細かいささがきにしたごぼうと人参、椎茸を炊いたもの、そこにやや甘辛く炊いた「うずら豆」を入れました。

そして面白いのは、この角寿司、一般的には「押し寿司」の一種と説明されていますが、木型の中で酢飯を具を交互に重ねるのではなく、最初に酢飯を手に取って広げ、おにぎりに具を包む要領で軽く握ってから木型も入れるのです。「押し寿司みたいに強く押さないで!」というのが注意点だそうです。

・角寿司の中具:きんぴらよりも薄い味付けでごぼうと人参と椎茸を炊いたもの、やや甘辛く煮たうずら豆

角寿司の中具
木枠

掲載されている内容が間違っているのではなくて、それだけ家庭によって違うということなのです。これだから、郷土料理は、地元の方から教わらないとダメですね!

調理実習(家庭の角寿司作り)③
調理実習(家庭の角寿司作り)②

この他、「りんごの天ぷら」と「しし汁」(※地元のジビエ工房「自美恵」で加工された猪肉を使いました)カブの浅漬けでした。りんごを甘く煮て餃子の皮で包んだおやつは、地元のお母さんたちのアイデアで急遽、メニューに入れたオマケです。シンプルに見えますが、角寿司は実は具沢山ですし!しし汁にもたっぷり大根や里芋など野菜が入っています。これだけでも地元のお米と野菜がしっかり摂れました。

調理実習(家庭の角寿司作り)④

試食・ジビエ工房「自美恵」によるしし汁の説明

みんなで作った角寿司をみんなで一緒に食べました。一番、楽しみな時間ですね!

試食(家庭の角寿司作り)

しし汁については、北広島町のジビエ工房「自美恵」の濵村亮治さんが説明に来てくださいました。

北広島町では田畑を荒らすイノシシには悩まされており、ワナを仕掛けて捕獲したイノシシは殺処分するしかありませんでした。しかし処分をするにもお金がかかります。何とか食材として活用できないかと町の人で話合い、「自美恵」(じびえ)という工房が設立されました。ここは、有害捕獲されたイノシシやシカを適切な方法で処理し、清潔な状態で一定時間、熟成させ、夏のイノシシでも美味しく食べられるようにする加工場です。ここの仕事を任されているのが、濵村亮治さんです。

お話を聞くと、一層しし汁が美味しく感じられて、お代わりする人が行列を作っていました。

北広島町のジビエ工房「自美恵」の濵村亮治

紙芝居で芸北の「食」の歴史・取り組みを学ぶ

試食後、芸北の町の歴史やこの町独自の取り組みについて学びました。「芸北 高原の自然観」、その他教育委員会や生涯学習課のお仕事をされている原竜也さんが紙芝居を使ってとても分かりやすくお話してくださいました。

かつて芸北地区の山ではたたら製鉄(鉄の古式製造法)が盛んで、その燃料には大量の炭が必要でした。その頃の人々は水を流して山を削ったり、木を切って炭にしたりと、山の中での活動が生活の基盤になっていました。ところが生活スタイルの変化などに伴って、山は大半が放置されました。人との関わりがなくなってしまうと、山はどんどん荒れていきます。そのような課題に取り組むべく、始まったのが「せどやま再生事業」です。芸北では裏山のことを「せどやま」と呼ぶそうです。

紙芝居で芸北の「食」の歴史・取り組みを学ぶ

芸北オークガーデンの見学

原さんに聞いたお話を踏まえて、実際に「せどやま市場」や「芸北オークガーデン」を見学に行きました。

地域の方が木を切って「せどやま市場」へ持ち込むと、町内だけで使える地域通貨「せどやま券」で買い取ってもらえるそうです。

こうして集まった木は、2年ほどかけて乾燥させ薪に加工されます。

芸北オークガーデンの見学①

広島県北広島町にある芸北地区では、地域のNPO「西中国山地自然史研究会」が中心となり、里山を管理保全、地域木材の流通・利用を通じ地域経済の活性化させる試み、「芸北せどやま再生プロジェクト」を行っています。 プロジェクトを通じて、年間400tの地域材が熱エネルギーとして利用されています。木を買い上げる仕組み、誰でも参加できる仕組み、消費地の確保などを導入し、山林の景観および生態系保全・地域経済の活性化・木質バイオマスの利用促進を目指しています。

(出所:せどやま再生プロジェクト | 木育普及委員会

芸北オークガーデンは1998年にオープンした温浴宿泊施設です。オークガーデンは1998年にオープンした温浴宿泊施設です。このお風呂を沸かすために、せどやま市場の薪が使われています。子どもたちは実際に薪をくべる体験をさせてもらいました。

芸北オークガーデンの見学③
芸北オークガーデンの見学②

最後は参加者のみなさんと記念撮影! 楽しんでもらえたかな?

芸北オークガーデンの見学④

11月25日 おかず味噌「ジビエ味噌」作り(Zoom)の様子

今年度2回目は、「おかず味噌」作り!この講座は、Zoomで実施しました。司会進行役には、フリーアナウンサーの八木静佳さん。子育て中のママという顔ももつ八木さん、さすがの進行でした(*^-^*)

なぜ、おかず味噌にしたかというと、これこそが日本全国にそれぞれの「郷土の味」がある料理と言えるからです。季節の野菜や地場の特産品を使った「ふき味噌」や「ゆず味噌」、広島県では「いりこ味噌」や「鯛味噌」もよく知られています。味噌自体も本来は家庭で作ったり、地元の味噌蔵の味噌を使ったりしていました。作っておくと、長期保存が可能で、野菜、肉や魚、ごはんのいずれとも相性が良いので、大変重宝します。

しかし、たくさんの加工品、調味料が存在する現代・・・おかず味噌を作る人も少なくなり、近年は味噌自体も使わない家庭が増えています。そこで、このおかず味噌づくりを通じて、日本の昔ながらの1品を見直して欲しいと思いました。

今回は、1回目で「しし汁」にして大好評だったジビエ工房「自美恵」のイノシシ肉を取り上げましたが、手に入らなかったら「豚バラ肉」で作ってもらうことにしました。

一人で料理の経験がない子供たちも、一生懸命生姜を刻んだり、肉を細かくしたり・・・混ぜたり、炒めたりと基本的な調理操作を体験しました。スタジオでは八木さんがみんなのお手本になるように、ゆっくり作って見せてくれました。

・当日の様子(舞台裏)

11月25日 おかず味噌「ジビエ味噌」作り(Zoom)

・当日の様子(Zoom)

Zoom講座の録画スクショ

ごはん・野菜にピッタリ!ジビエ味噌の楽しみ方

おかず味噌ができたら、試食タイムです。おかず味噌は、そのままごはんにのせても良いですが、「おにぎらず」にしてみても美味しいですよ。おかず味噌とマヨネーズを合わせて、味噌マヨディップにすると、野菜がいくらでも食べられそう!

大根 おかず味噌

他にも出汁でやわらかく煮た大根にもかけてみました。おでんの大根でも良いですね!
あとで県民会議の事務局の皆さんとも試食をしましたが、どれも美味しくできました。
参加した子供のお母さんからも「家族みんなが美味しいって言ったら、娘がその後、3回も作ってくれたんですよ」とうれしいお話を聞きました。

地元の食材を使って、家に常備されている調味料を使って、簡単にできて美味しい「おかず味噌」!こういう何気ないものを家庭で食べ継いでいくことが、郷土の味の継承です。何度でも作って、皆さんのおうちの味にしていってくださいね。

最後に

こうして今年度2回に渡っての「いただきます!ぶちうまプロジェクト」が終了しました。この取り組みを通じて感じるのは「食」は、その地域の自然環境や文化、歴史的背景など地域プロフィールと密接な関係にあるなぁということです。昨年度の三次とやろうとしたことは同じでしたが、地域に個性があるので、自然と違った内容になりました。実際に参加できる親子は限られてしまいますが、今回も動画や記事にまとめました。参加できなかった子どもたちにもぜひ見てもらいたいです。

そして記録したことがこのプロジェクトの目的通り、地域に伝わる「食」は、地元の人から学び、次の時代へ継承していくことに繋がり、何年先になっても見返してもらえたなら、これほど嬉しいことはありません。

弊社では地域食品の企画開発や販促物の制作、PR設計、ブランド作りに携わっています。お気軽にお問い合わせください。

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