栃木で出逢った「かんぴょう」の危機から学ぶ、愛される商品開発の問いの立て方

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先週末、私が発行人を務めている『ひろしま食の手帖』が、農林水産省の食育活動表彰において「消費・安全局長賞」を受賞いたしました!いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。

今年の表彰式は、栃木県宇都宮市で開催されました。

私たちの授賞式の様子は昨日の記事に。

この食育推進全国大会では、100以上の企業、団体のブースが並びます。これが毎年、とても勉強になるのです。今年もある「日本の伝統食材」が持つ深い背景と、私たちがビジネスをする上で決して忘れてはならない「商品開発の本質」について、深く考えさせられました。

今回は、その学びを皆さまとシェアしたいと思います。

目次

国内シェア98%以上!知られざる「かんぴょう」の素顔

皆さんは「かんぴょう」と聞いて、どんな料理を思い浮かべますか? 多くの方は、巻き寿司の具や、おでんの巾着を縛る紐などを連想されるのではないでしょうか。

実は、国内で流通するかんぴょうの98%以上が栃木県産。まさに栃木を代表する特産品です。しかし、それが「何からできているか」までご存じの方は、意外と少ないかもしれません。

想像を超える「夕顔の実」の重量感

かんぴょうの原料は、ウリ科の「夕顔(ゆうがお)の実」です。 今回、大会の会場に現物が展示されており、実際に持ち上げる体験ができました。

【体験して驚いたこと】 普通のスイカくらいの感覚で持ち上げようとしたら、ビクともしないほどの重量感!この巨大な果肉を、熟練の職人技でくるくると紐状に薄く削り、2日かけて天日干しにすることで、私たちがよく知る「かんぴょう」が作られます。

地元の方にお話を伺うと、日常的に刻んでお味噌汁の具にされているそうです。出汁をたっぷり吸ったかんぴょうのお味噌汁、とても美味しそうですよね。

5000トンから200トンへ。伝統食材が直面する「絶滅の危機」

しかし、この伝統的な食文化は今、深刻な危機に瀕しています。

かつて最盛期には5,000トンあった国内の生産量が、現在は200トン以下にまで激減しているのです。ライフスタイルの変化や後継者不足など、理由はさまざまですが、このままでは日本の大切な食文化が一つ消えてしまいかねません。

そんな中、新たな光も見えています。 現在はフレンチやイタリアンなど、和食の枠を超えたさまざまなジャンルの料理人たちが、かんぴょうの独特な食感や保水性に注目し、現代的なメニューとして活かす取り組みが始まっています。

伝統を守るために、現代のニーズに合わせて「再定義」する。 この動きは、私たち個人起業家や中小企業のビジネスにも、全く同じことが言えるのではないでしょうか。

「〇〇なんて、誰が買うの?」という問いに向き合う

もしかすると、ここまでの話を聞いて、心のどこかでこう思った方もいるかもしれません。

「かんぴょうなんて、今の時代、誰が食べるの?」と。

実は、耳の痛い話ですが、これと同じことが皆さんの商品やサービスにも起きている可能性があります。

あなたの商品にまだ興味を持っていない市場(お客さま)は、言葉に出さないまでも、心の中でこのように思っているかもしれません。

「〇〇なんて、誰が買うの?」 「〇〇なんて、今の時代に必要ないよ」

ぜひ、この「〇〇」の部分に、ご自身のビジネスや商品名を入れてみてください。 ……少し、胸がチクリとしませんか?

ちなみに私は、常にこの「〇〇」のなかに『ひろしま食の手帖』を入れて考えています。自戒を込めて、常にこの厳しい問いを自分に投げかけているのです。

商品開発とは「欲しいと思ってくれる人」を探し続ける旅

では、「誰も買わない」というのは本当でしょうか? 決してそんなことはありません。現に、かんぴょうはシェフたちの手によって、新しい価値を持って蘇りつつあります。

大切なのは、そこで諦めずに問いを深めることです。

  • 本当に、誰も欲しいと思わないのだろうか?
  • この商品の価値を、心から「欲しい」と言ってくれるのはどんな人だろう?
  • そのお客さまは、どこに行けば出逢えるのだろう?

この問いを愚直に立て続け、ブラッシュアップしていくプロセスそのものこそが、本当の意味での「商品開発」であり「マーケティング」なのだと、ブースを巡りながら改めて痛感しました。

今回の食育大会は、食文化の奥深さを学ぶと同時に、ビジネスの本質を再確認させられる、非常に実りある時間となりました。

2027年は横浜で開催!一緒に行きませんか?

素晴らしい学びと気づきが得られる食育活動表彰・大会ですが、来年(2027年)は横浜の「国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」会場内で開催されることが決定しています。

アクセスも良く、かなりの来場者が予想されますが、今からとても楽しみです。

もし「来年、一緒に行ってみたい!」「食育や商品開発の現場を見てみたい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にメッセージやコメントで声をかけてくださいね。現地でビジネスや食について、熱く語り合いましょう!

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この記事を書いた人

平山 友美のアバター 平山 友美 ひろしま食の手帖編集部 代表

フードプロデューサー。「情報は自分の足で稼ぐ」をモットーに、地域食品・郷土の味を取材しています。新聞や情報誌、専門誌に10年超えの長期連載を担当。「NHKきょうの料理ビギナーズ」にも寄稿。「TBSテレビ 熱狂マニアさん」などに出演。

その他、広島・岡山・東京を中心に食品企業の事業相談(商品や会社の強みをどう伝えるか、を言語化して、展示会や売場での見せ方を考える仕事や売り方を考える仕事)や「食」を軸にした観光系の仕事(ツアーや体験造成など)をしています。

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