こどもの日ですね。
この時期になると思い出すのが、18年ほど前にやっていた食育イベントのこと。封筒をカットしてこいのぼりの形にして、中にお菓子を詰めて持ち帰ってもらう——そんなイベントでした。かしわ餅も子どもたちと一緒に作りました。小さな手で一生懸命お餅を包む姿、今でもはっきり覚えています。


自分の暮らしがレシピを作る
料理の仕事は、家庭料理の延長であればあるほど、自分のライフスタイルに合わせてレシピを考えがちです。独身の先生はおしゃれなおもてなし料理が得意になり、子育て中の先生は子どもが喜ぶ料理が十八番になっていく。自分に小さい子がいれば「小さい子連れでもOK」という悩みに実感をもって応えられる。それは確かな強みです。
でも、それだけに頼っていると、生活スタイルが変わった途端に壁にぶつかります。(これは経験談・・・)
離乳食講座にみる2つのタイプ
「離乳食に悩むお母さん向け」の講座を例にすると、担当する先生は大きく2タイプに分かれます。ひとつは、我が子の離乳食に奮闘中(または最近まで奮闘していた)先生。もうひとつは、管理栄養士や保健指導の専門職として知識をもって指導できる先生です。
前者は子どもが大きくなるにつれ離乳食への関心が薄れ、自然とやらなくなる。後者はライフスタイルに関係なく発信を続けられます。
そして、どちらにもそれぞれの悩みがあります。経験ベースの人は資格がないことをカバーするように「経験」をウリにしがち。資格がある人は子育て経験がないと「体験がない」ことに引け目を感じがち。両方ある人は、つい上から目線になりがちです。
情報は古くなる
さらに厄介なのが、情報のアップデート問題です。離乳食の進め方や栄養の基本は普遍的ですが、今どんな市販の離乳食があるか、便利グッズは何か、仕事復帰したお母さんにおすすめのサービスは——こうした実践的な情報はトレンドとともに変わります。専門職としてどっぷりの人ほど、10年以上前の情報をそのまま語っていることに気づかないことも。
私自身も振り返ると、一生懸命やっているときは最善だと信じていたけれど、後から冷静になると「大多数の人には受け入れにくい、マニアックなことを言っていたな」と反省することがあります。😅
「10年先も」に込めた思い
「10年先も食の仕事をしていたい人」——この言葉を大切にしています。「10年後」ではなく「10年先も」としたのは、その先に20年後もあるよ、10年経ったさらにその先もあるよ、ということを伝えたかったからです。
ライフステージに寄りかかった発信は、いつか行き詰まります。でも、学び続け、情報をアップデートし、自分とは違う立場の視点を持ち続けること。それができれば、年齢を重ねてもずっと食の仕事を続けていけるのだと思います。
こどもの日のこいのぼり工作を思い出しながら、18年分の時間の重みとこれからの「先」を考えた一日でした。


