密かに憧れていたお店に、ついに取材で訪問
日本橋・コレド室町2にあるフレンチレストラン「LA BONNE TABLE(ラ・ボンヌターブル)」。ミシュランガイドでも評価されている名店で、私自身、ずっと行ってみたいなぁと密かに憧れていたお店でした。

ただ正直なところ、なかなかハードルが高くて……。気になりつつも、足を運べずにいたんです。
今回、中村和成シェフにインタビューさせていただけることになり、楽しみで仕方ありませんでした。というのも、中村シェフはあのミシュラン三つ星フレンチ「レフェルヴェソンス」の元スーシェフ。2014年のオープン以来、このお店のシェフを務めている方です。
インタビューの詳しい内容はまだお伝えできないのですが、取材を通じてとても印象に残ったことがあるので、今回はそのお話をしたいと思います。
メニューに産地も生産者名も書かない、という選択
多くのレストランでは、メニューに「◯◯県産の〜」「◯◯農家さんの〜」といった生産者情報が記載されています。「Farm to Table(農場から食卓へ)」を掲げるお店であればなおさら、食材の出自を明記することは自然なことに思えます。
ところが、LA BONNE TABLEのメニューには、そうした生産者の記述が一切ありません。

なぜか。
中村シェフによると、特定の生産者の名前がブランド化されることで、多くの料理人がその生産者に集中する現状を見てきたといいます。「◯◯さんの野菜」という看板があれば安心だし、お客さんへの説得力にもなる。でも、すでに多くのシェフがそこに集まっている中に、自分がさらに加わる必要はないのではないか、と感じるようになったそうです。
それよりも、SNSでの発信が苦手で世の中にまだ知られていないけれど、とてつもないポテンシャルを持った生産者を自分の足で探し出すことの方が、よほど価値がある。中村シェフはそう考えたのです。
「マイナーな人がマイナーなものを紹介しても…」という壁
この話を聞いたとき、とてつもなく共感しました。
実は、私が「ひろしま食の手帖」やYouTubeで本当に目指したかったのも、まさにそこだったんです。まだ知られていない素晴らしい生産者や食材を見つけて、世に届けること。それこそが自分のやりたいことだと思っていました。
でも現実には、私自身の知名度がまだまだ足りなくて、「マイナーな人がマイナーなものを紹介しても誰も見ない」と、かなりグサグサ刺されたこともありました。それは事実としてその通りで、悔しいけれど認めざるを得ない部分でもあります。
だからこそ、中村シェフのように確固たる信念のもとで「あえて生産者名を出さない」という選択ができるのは、それだけの実力と信頼があるからこそ成り立つものだと感じました。
「名乗らない勇気」がこれからの時代に求められる
中村シェフのスタンスが教えてくれるのは、「誰が作ったか」よりも「目の前の一皿がおいしいかどうか」で勝負する姿勢の大切さです。
生産者名がブランドとして消費されるのではなく、料理人が自らの審美眼で食材を選び抜き、その判断をお客さんに委ねる。「どちらの農園のものですか?」と問わなくても、安心して食べられる一皿がそこにある。そんな信頼関係が、料理人とお客さんの間にしっかり築かれているのです。
名前を出すことが当たり前の時代に、あえて名乗らない。これは簡単なようで、実はとても勇気がいることです。
SNS全盛の今、「◯◯産」「◯◯さんの」という情報は強力な訴求力を持っています。でもその流れに乗らず、自分の目と舌で見つけた食材だけで勝負する。中村シェフのこの姿勢は、これからの食の世界で、きっとますます求められるものになるのではないでしょうか。
インタビューの全容は、また改めてお届けします。どうぞお楽しみに。

LA BONNE TABLE(ラ・ボンヌターブル)基本情報
店名: LA BONNE TABLE(ラ・ボンヌターブル)
シェフ: 中村和成(なかむら かずなり)
ジャンル: フランス料理(カジュアルガストロノミー)
所在地: 東京都中央区日本橋室町2-3-1 コレド室町2 1F
電話番号: 03-3277-6055
営業時間: ランチ 11:30〜15:00(L.O. 13:30)/ディナー 17:30〜22:00(L.O. 20:00)
定休日: 毎週月曜日
アクセス: 東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」A6出口より徒歩約2分/JR総武本線「新日本橋駅」徒歩約3分
席数: 51席
公式サイト: https://labonnetable.jp/


